Tea Time 36

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 そのあと、気を利かせた七海が、裕子の手土産のメロンを切ってみんなに振舞ったり、と一見和やか気に時が流れていく。
「タケちゃんはピアノ弾かないの?」
「俺のピアノはバイエルで終わりですよ」
 裕子に聞かれて武人は肩をすくめる。
「勝っちゃんもね~、ちっちゃい頃は一生懸命やってたんだけど、そのうちワンちゃんやネコちゃんの世話に夢中になってたから」
「裕子リンに教えてもらおうかな」
「いいわよ。勝っちゃんがお借りしてるミニのお礼ってことでいかが?」
「ちょ……、おかあさん」
 思わず二人の会話に割って入ろうとした勝浩だが、武人は「いいっすよ、じゃ契約成立ってことで」と勝手に話を進めてしまう。
 幸也と勝浩の仲をとりもとうと策を捻った武人であるが、よもやそのミニがきっかけで二人が言い争うことになったとは思いもよらない。
「そろそろ、帰るわ、俺」
 おもむろに立ち上がったのは幸也だった。
 途端、勝浩は、さっきから騒いでいた胸にズキ、と痛みを覚える。
 ついに一言も言葉を交わさなかった。
「え、おい、待てよ、まだこれからだろ」
「明日、早々に実験なんだよ」
 慌てて幸也に駆け寄った武人に、すげなく答えると、「じゃ、お先に失礼します。裕子先生、お会いできて楽しかったです」と幸也はリビングを出ようとした。

 


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