Tea Time 41

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「んなもん、お前、人間それぞれ価値観なんか違うに決まってるだろ!」
「奈央さんとこで、一言もなかったんですよ」
「え………?」
「あれが、幸也さんの出した答えなんだなって」
「待て待て待て! いいか、幸也のヤツは………」
「タケさん、これから編集部でしょ? 早く行かないとおっかないライターさんに雷落とされますよ」
 武人の言葉を遮るように、勝浩は言った。
「じゃ、がんばってください」
 さっさとユウと大学の門を出て行く勝浩に向かって、「可愛くないぞ!」と武人が言い放つと、「俺が可愛くなかろうと誰にも迷惑かけません」と返ってくる。
 全く。
 武人は腕組みをしてしばらくそこに突っ立っていた。
 よくない傾向だぞ、勝っちゃん。
 後ろ向きに、内へ内へと感情を押し込め、ハリネズミどころかヤマアラシのようにバリケードを張り巡らせて何も寄せつけないつもりのようだ。
 そんなことを考えながら上の空で編集部に向かうと、打ち合わせの途中で年配のライターに話を聞いていないとどやされる。
 散々な一日を過ごして家に戻ってきたところへ、武人の携帯が鳴った。
「おう、幸也か。俺も電話しようと思ってたところだ。あ? 何だって? 猫の世話?」
 明日から出かけるから、猫の世話をしろ、説明するから今から来いと言う。
「お前、人使い荒いってか、俺はお前の子分じゃねんだぞ!」
 元来世話好きな性分の自分に呆れながら、武人は車を飛ばして幸也のマンションに向かった。

 


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