Tea Time 5

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「そういや、昨日は裕子りんが銀座に来たついでとかって、お手製のクッキーやらサンドイッチやら差し入れてくれてさ、裕子りん、急に現れたから、勝っちゃん照れちゃってさ」
「誰だよ、その、裕子りんって!!」
 一転、食いつきそうな勢いで幸也が武人を振り向く。
「はあ? 勝っちゃんのママだよ、裕子りん、まさか、お前知らねぇの?」
「ママ……?」
「はきはき美人で、ピアノ教えてるってゆう」
「知るかよ。だいたいお前、ママのことなんかも何も言ってないぞ」
「お前、勝っちゃんと同じ高校だったんだろ?」
「だから、ママのことなんか知らねって……」
 そういえば、勝浩の家族のことも自分はよく知らないのだと、幸也は愕然とする。
 自分には兄と姉が一人ずついて、父母は忙しくて滅多に顔を合わせないとか、祖父がクルージング好きで以前はよく一緒に海で過ごしたとか、実家の犬や猫のこと、今一緒にいる猫のエメやクルンのことなどよく勝浩に話すのだが、勝浩は飼っている犬や猫の話は夢中になって話すものの、家族の話はほとんど聞いていない。
「ん~? けど、裕子りん、お前のこと知ってたみたいだぞ? ワル坊主の志央ちゃんとユキちゃんって、前に話してた気がするが………」
「はあ? 何で勝浩のママが俺を知ってるんだよ、会ったこともないのに」
「志央、ピアノ習ってただろ? ガキん頃。美央と一緒に。お前、ナイト気取りで習いもしないのにピアノ教室までくっついて行ってたろうが」
「え………? そういや……」

 


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