Tea Time 8

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「志央は勝浩とは久しぶりに会ったみたいだが、お前が言うように、七海と勝浩はちょくちょく会ってるらしくて、妙に仲が良さそうで面白くなかったから、七海が便所に立った時に、つい、『七海にモーションかけても無駄だぜ、あいつは俺に夢中だからな』とか牽制したんだと」
 幸也は面白くもなさそうに続ける。
「何だよ、勝っちゃん、じゃあ、まだ七海に話してないのか? お前と……」
「そしたら、勝浩のヤツが、志央の行い次第では七海を取り戻すから、とか何とか言ったらしい」
「ええ? 勝っちゃん、やっぱ七海とつき合ってたん?」
 何気ない武人の言葉が、グサリと幸也の胸に突き刺さる。
「………としてもそう長くはなかったと思うが……あのあと七海は志央べったりだったし」
 すったもんだあった高校時代のことを幸也はあらためて思い起こす。
「……………………………だが、やっぱり勝浩も七海のことを……」
 それ以上は言葉にしたくなくて、幸也はグラスをもてあそんだ。
『ほんと、サイッテーだよ、あんたたちって』
 ふいに高校の頃、勝浩に浴びせられた辛辣な言葉が蘇る。
 それも当然かと自虐的な思いで受け取った。
 志央と二人、人の心を賭けたりして弄ぶようなマネをして、勝浩はそれこそ自分を軽蔑しているのだと、そう幸也は思っていた。
 志央の心は七海にあるのだとはっきり思い知らされた時、一時は絶望と虚無感に襲われたものの、七海を志央に取られた形でさぞや傷ついているはずなのにもかかわらず気丈に冷静に振舞う勝浩を見て、妙に肩の力が抜けたのを覚えている。
 生真面目で負けん気が強いやつのことだから、健気に歯をくいしばって精一杯耐えていたのかもしれない。
 いつの間にかそんな勝浩から目を離せなくなってたんだ―――。

 


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