Tea Time 9

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「そっかぁ? 俺にはそうは思えないけどなあ」
 武人はちょっと首を傾げる。
「そんな昔のこと持ち出してウザいよ、お前。第一、お前ら、こないだの山小屋以来、ラブラブ街道まっしぐら、じゃなかったのかよ?」
 それに対して即答できないでいる幸也に、「お前、また何かやらかしたのか?!」と武人が詰め寄った。
「何もやってねぇよ」
 そう、山小屋ではちょっと強引だったにせよ、誠心誠意勝浩のことを思ってるし、山を降りてからもそれこそ勝浩のことを最優先に考えているつもりだったのだが。
「だったら、何ウダクサ、考え込んでんだよ? ピピッとワル知恵巡らしてスパッと動くのが良くも悪くもお前だろうが? 昔っから自信過剰の権化みたいなお前がさ? 俺なんかと顔突き合わせてるよか勝っちゃんと話せばいいだろ?」
「それができりゃ、お前の面なんか拝む必要はないんだよ」
 吐き捨てるように言うと、幸也は追加オーダーをしたばかりの酒をぐいっと呷る。
「んじゃ、俺が呼び出してやるよ、勝っちゃん」
 やおらポケットから携帯を取り出して、ボタンを押す武人から、「やめろって」と携帯を取り上げ、幸也はふうっと大きく息を吐く。
「……だから、俺は勝浩の気持ちを尊重したいんだよ」
 幸也はカウンターに武人の携帯を置き、「無理強いはしたくねんだ」と言って舌打ちする。
「だが、何か……あれ以来、避けられてるような気がしてだな」
「はあ?」
 訝しげに武人は眉をひそめる。
「河岸を変えるぞ」

 


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