月で逢おうよ8

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 築何十年だかわからないようなこのクラブハウスは、五年ほど前、『動物愛護研究会』の手に渡るまでに様々なサークルに使われていた、かなりな年代ものらしい。
 木造で、二十畳あるかないか。
 隙間だらけの窓や踏み抜きそうな床板、雨漏りする屋根を自分たちで修理をし、とりあえず雨風しのげるくらいにはだましだまし使っている。
 ソファや簡易ベッドの類は、みんなで粗大ゴミから失敬してきたものに、カバーをかけた。
 冷蔵庫も拾ってきたものだ。
 シンクはかろうじて引いてある水道管を利用して自分たちで造りつけたものだ。
 電気ポットがあるので、お茶やカップ麺くらいならOKなため、当然、しょっちゅう宴会場にもなるわけだ。
 猫たちのためには外に通じる開閉自在の猫用ドアや、天井に近い場所にちょうど猫が走れる程度の突起と住処を造ったりして、狭い空間をフルに活用しているのだが、人間が五人も入れば、真夏などその不快指数は一気に上がる。
 加えて五匹の犬と、猫が五匹から多い日で七匹がいたりするとたまったものではない。
 検見崎が二年前、粗大ゴミの中から見つけてきたガコガコのエアコンも、日中は多少役に立っているが、熱帯夜になりそうな日は、検見崎が暑さが苦手が犬たちを家に連れ帰ったりもする。
 最初勝手に電気を配線してエアコンを使っていたために、大学側から文句をいただくなんてこともあった。
 代表の垪和と検見崎で交渉の末、エアコンの電気代を払うという条件で晴れて使用が認められたのだ。
 もともと拾ってきたものだから、時々スイッチが利かないこともあるし、そろそろちゃんと使えるエアコンを取り付けたいのは山々だが、いかんせん、運営費のほとんどはメンバーのバイト料でまかなっている。
 使えるうちは使おうというのがみんなの一致した意見なのだ。
「ロクたちの散歩、一人じゃ大変でしょ? 私、ロク連れて行くよ」
「時間、いいの?」
「うん」
 暑い日は、熱せられたアスファルトの上などを歩かせると、犬の足を傷つけるため、散歩は早朝と夕方になる。
 朝夕セットで二人ずつが基本として、メンバーがシフトを組んで世話をしているのだが、決められたとおりにいかないのが世の常だ。
 夏休みの間は特に、旅行だ、帰省だとシフトを抜けるメンバーの代わりに、大学まで徒歩十分の勝浩が一週間続けて通ったこともある。
 だが、もともと好きな犬や猫の世話だからさほど苦にはならない。
「助かったよ、美利ちゃん」
 勝浩が連れているハスキーのビッグは、大きな図体と薄い目の色のせいもあって恐ろしげな面構えをしているが、かなり甘えん坊で、人懐こい。
「ううん、私、犬好きだし」
 ロクに引っ張られるようにして、美利が笑う。

 


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