「何だよ、いつのまにそこの二人、できちゃってんの?」
「えー、知らなかった、美利と勝浩くんって、そうなのぉ?」
酒が入っているから、みんな勝手なことを言う。
「あの子が勝浩に告ってたって?」
犬たちにおすそ分けをしながら、幸也はへらへらやってきた検見崎を掴まえて問いただした。
「そ。でも、美利ちゃんと勝っちゃん、いいセンいってると思わねぇ?」
「…フン…んなもん、わかるかよ」
途端、幸也はムッとした顔をする。
「何だよ、その冷たい反応」
検見崎の声が高かったので、何気なく勝浩が顔を上げると、幸也の視線とぶつかった。
咄嗟に目をそらした幸也に、ドクン、と勝浩の心臓が軋む。
「幸也、顔が怒ってる~」
ビールを手にやってきたひかりが、幸也の顔を見てわざわざ指摘した。
「勝浩くん、彼女いたんだね?」
「うるさいな、ほっとけよ」
酔っ払ったひかりがゲラゲラ笑った。
夜も深まると、さすがに肌寒い。
少しは食べたのだが、ものを口に入れることも何だか億劫になり、勝浩はバーベキューのあとジャンケンゲームなどにもちょっと加わっただけで、楽しそうにやっている花火を離れたところに座って見ていた。
美利はふいに元気がなくなった勝浩を心配して、さっきまで傍にいたが、花火に行っておいでよ、と勝浩に促されて、みんなの輪の中に戻った。
ひかりの甲高い笑い声がどこにいても聞こえる。
勝浩にはひどく耳障りだった。
今更なのに、嫉妬している。
浮かれてた。
また幸也と一緒にいられることに。
バカみたいだ。
「勝浩、ここにいたのか。なんだ、どした? 具合悪いのか?」
隣にきて座ったのは、勝浩を具合悪くさせた本人だった。
「ちょっと、酔ったみたいで。俺、先に休んでいいですか?」
「ああ、大丈夫か?」
まともに顔を見たら、言いたくないことを言ってしまいそうだ。
無理やり笑顔を返しただけで、勝浩は自分の部屋に向かった。
ドアを開けると、大きな山荘を自由に探検できるとあって、猫たちが大喜びで走り回っている。
山道を散歩に連れて行ってもらい、ご飯をたらふく食べてご満悦の犬たちは、リビングで思い思いに寝そべっていた。
勝浩を見るとユウが嬉しそうに尻尾を振って、あとに続く。
自分の部屋に入り、勝浩が「よしよし」とユウの頭を少し撫でてやると、ユウは勝浩が持ってきてくれた自分のベッドに横たわる。
それを見て少し微笑みながら勝浩はベッドに腰を下ろした。
心が重い。
何もここに現れなくてもいいのに。
ひょっとしなくても幸也は彼女と約束をしていたのかもしれない。
だから、幸也は自分と一緒の部屋をいやがったのだ。
「ちぇ、考えてたって仕方ない。風呂入って寝よ」
立ち上がるのも億劫な気分だったが、湯船に湯を張ると、バスタオルを持って風呂に向かった。
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