「浜村さんって、会長の関係者?」
「ああ、息子さん」
やっぱり、名前同じだと思った。
工藤、浜村会長と会って、どうだったんだろう。
そういうことあんまし言わないからな。
「なんか、セレブ多いですよね」
「まあ、無礼講やし、ええんやない?」
「はあ」
モリーには悪いけど、今聞いたメンバーだと若い女の子は期待できないかもな。
「あ、それに、公一さんが、大学の同期の女子三人くらい、連れてくるて」
「え、ほんとですか?」
「ああ、今度は公一さんが知らない子やのうて同期の社会人や言うてた」
去年の夏、軽井沢の綾小路邸のパーティに、ホールスタッフのアルバイトに公一が大学の後輩を連れてきたのだが、その中に犯罪に加担していた者が数名いたのだ。
公一はそのことをひどく悔やんでいたらしい。
「まあ、身元がどうであれ、スペック狙いの子もおるやろけどな」
「はあ。確かに、今聞いただけでも男女ともハイスぺな感じですよね~」
実は秋山を誘ったのも、元は商社マンで業界にも長く、人を見る目がある秋山には、いろんな意味で目を光らせてほしいという理由もあった。
「まあ、メインは工藤さんやろ。法医学の香坂准教授て、今年アメリカから来た切れ者の才媛なんや。昔は日本に住んどったこともあるていう人で、この人を工藤さんに紹介してみよか思うとる」
千雪の淡々とした説明にも良太は胸がズキンと揺れたような気がした。
工藤が誰かとどうかなればとは、自分で千雪に言ったくせに、いざリアルにそういう女性が現れると思うと、頭の中が一瞬真っ白になる。
「そう、ですね。よろしくお願いします」
まあでも、いきなり現れるよりは心の準備もできるか。
良太は無理やり、そう自分に言い聞かせた。
仕事に追われ、あっとい間に週末がやってきた。
「明日の晩、綾小路でまた何かやるそうだが、お前、聞いてるか?」
金曜の昼、オーストラリアから戻ってきた工藤が良太に問いただした。
実は工藤の帰国は昨日の木曜日の予定だったのが、案の定撮影でトラブルがあり、一日延びたのだ。
工藤からその連絡があった時、交流会に間に合わなかったらどうしよう、という思いより、何かほっとしたような思いが一瞬良太の脳裏をかすめた。
だが、すぐに、ここまでお膳立てしてもらっているのに、工藤が間に合わなかったでは、千雪や藤堂の苦労が水の泡だ。
「いや、仕事のトラブルはつきものだから、その時はその時でしょうがないよ」
工藤から帰国が延びるという連絡をもらった良太は、すぐに藤堂に電話を入れた。
だが、それも織り込み済みだという藤堂からは、それはそれで、交流会楽しもうよ、という答えが返ってきた。
「まあ、工藤さんがもし間に合わんかっても、良太は良太でいろんな人に会うわけやし」
千雪もそんなことを言っていた。
「紫紀さんが、何とか明日の夜は出てほしいとかわざわざ電話してくるし、仕方ないから行くがお前はスケジュール大丈夫か?」
いろんな意味でやきもきした良太だが、工藤は翌日の金曜日には戻って来た。
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