Moon Light28(ラスト)

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   エピローグ
  
 
 ドラマの撮影は全て終了した。
 長田プロの一件は、小田が間に入って和解という形で、青山プロダクションとしては不本意ながら落ち着いた。
 しばし経ってから、どこからか一連の青山プロダクションに関する記事は他社の妨害工作による捏造だったという噂がネットから拡散した。
 テレビでも信頼できる筋からの情報という名目で、工藤とアスカ、奈々が云々という噂に関してもその日はそれぞれ物理的に会えるような距離にいなかったこともわかっており、デマだったという内容の情報が流れた。
 無論名前を出さない代わりにデマを収拾するという条件で、ある程度の金額が動いたことは間違いない。
 さらに今度は、青山プロダクションに対する某プロダクションの陰謀か? というような記事が週刊誌やワイドショー、ネット上を少しばかり騒がせたが、結局のところどちらも噂だったということになり、やがて大物俳優の不倫疑惑が浮上した頃にはフェイドアウトしていった。
 蛇足では阿部由治が借金まみれで結構えぐいことを平気でやる男だった、というような話が業界関係者の片隅で取り沙汰された。
 良太が撮影に遅れたのも、実は役を取られた阿部が逆恨みで良太を妨害していたのだ、とおそらく撮影陣のどこかから漏れたらしい噂も流れたが、いつの間にかその名前も業界から消え去っていた。
 さらに良太が演じたちょい役の名前のままクレジットされた新人俳優『和泉秀也』が俄かに脚光を浴びることになるのは少し先の話となる。
 
 
 
 久しぶりに良太と高輪で夜を過ごした翌朝、工藤の携帯が鳴った。
 相手の声に、工藤は目が険しくなる。
「仕方がないからお前の可愛い良太に免じて、スポンサーを降りるのはやめておく。それと、いいシナリオがある。映画だ。お前が嫌といっても、やらせるからそのつもりでいろ。スポンサーは鴻池産業だ。それと、俺の眼に狂いはない。お前の良太は俳優に…………」
 鴻池はめげるということを知らない男だった。
 工藤はまだ何かしゃべっている携帯をゆっくりベッドの端へ放ると、寝ぼけ眼の良太に朝のキスをした。 
 
 


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