でも俺のこと、どない思うとるんやろ。
千雪は改めて思う。
まあ、どのみち、俺を選ぶことなんかなかったわけやし、せいぜいがガキの頃の気分に戻ったくらいやからな。
「うわっっと…………」
考えごとをしていた千雪はぐらついた石の上に乗っかってしまい、転びそうになるのを、すかさず研二がその腕を引いて阻止する。
「ほんまに、お前は昔っから見かけによらずドジやからな」
「悪かったやん」
そんな優しい眼差しを向けよるから、勘違いしてまうんやないか。
千雪は悔し紛れなセリフを吐いて、ずんずんと前を行く。
「こら、気ぃつけや」
辻と三田村は何か見つけては笑いながら歩き、三田村はイチイチSNSにアップしたりしている。
先頭を歩きながら、たまに振り返り、京助はそんな四人のようすを確認する。
そろそろ遊歩道の入り口に近づく頃になると、別荘にいる面倒な四人のことが頭をもたげてきて、眉間にしわが寄る。
くっそ、速水の野郎!
「帰ったら、風呂掃除してから入れよな」
大人こどもの遠足は終わった。
「へーい!」
「了解!」
車に乗り込んだ面々に一言いいおいてから京助はハンドルを切った。
別荘に戻った五人は、心地よい疲労感でもって玄関のドアを開けた。
ところが。
「お帰りなさいませ」
エプロンを付けた年配の女性が恭しく五人を出迎えた。
「誰だ、あんた!?」
慇懃無礼な見知らぬ女性に、京助はすぐ反応した。
「あっ、京助さん!」
中から走り出てきた公一が、「実はハウスキーピングサービスの皆さんが……」とあわあわと叫んだ。
「はあ?」
「私ども、この度速水様のご要望によりハウスキーピングサービスから参りました、私、リーダーの相良と申します。綾小路様、三日間、よろしくお願いいたします」
苛立つ京助に、年配の女性が落ち着いた声で説明をし、また頭を下げた。
家事全般、調理までエキスパート五名が入っているという。
「お前ら、部屋に戻ってろ」
京助は四人にそう言うと、速水を探した。
「おい、克也! いったいどういうつもりだ?」
リビングでは四人が優雅にお茶をしているところだった。
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