「どういうもこういうも、ハウスキーパーさんに任せておけば何もかもやってくれるだろう? あ、安心しろ。俺らだけなんてケチなことは言わない、お前らのこともみんなまとめて面倒見てもらうから」
しゃあしゃあと答える速水に、堪忍袋の緒が切れそうになりながら、京助は辛うじて持ちこたえた。
「いいか、皿の一つでも欠かしてみろ、俺はどうでも、藤原がだまっちゃいないからな」
「その点はプロだから問題ないだろう」
「あと、これ以上勝手なことをやってみろ、特に、俺が認めない人間を入れたりしたら出禁にするからな! わかったか?!」
京助の剣幕にも速水はちょっと肩をすくめてみせただけだ。
「京助ったら、そんなキリキリしなくたっていいじゃない。とりあえず、落ち着いて遊べるってことだし」
理香がへらへらと笑う。
佐久間は丁々発止の二人を見て、オロオロと目をしばたたいただけで、何も言えないようだ。
「京助さん、あたくし、ここに来てはいけなかったんでしょうか?」
とっととその場を立ち去ろうとした京助の腕を掴み、じっと見上げてそう言ったのは日向野だった。
京助は煩げに日向野の手を外した。
「いいか、あんたはもう少しその脳みそを使ってみることだ。わかったか?」
何も知らない人間が聞いたら、ひどい言葉を投げつけて、京助はリビングを出てキッチンに向かった。
日向野は唇を噛みしめて京助の後ろ姿を見送った。
速水と理香は京助の悪口を並べ立てて笑う。
別荘へ行って京助らを驚かしてやろうぜ、などと言う速水の口車に乗った佐久間は増々身を縮こませて、もう帰りたくなっていた。
キッチンはお茶の用意をしている男ときびきびと食器を片付けている三十代くらいだろう女性がいた。
「食事の担当はあんたらか? 俺は綾小路だ」
「綾小路様、速水様より伺っております。私は志田、この者は木本と申します。何なりとお申し付けください」
四、五十代だろう男が振り返って言った。
「専門は?」
「私は以前フレンチレストランのシェフをしておりましたが、イタリアン、日本料理なども一通り対応できます」
「なるほど、それじゃ、今夜の食事はフレンチで行くか。食材を買ってくるから、必要なものは言ってくれ」
「畏まりました」
京助が冷蔵庫に入れてある食材の説明をし、志田と打ち合わせをしていると、リーダーの相良がやってきた。
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