「プラグインの藤堂さんです! 『札幌雪祭り、三泊四日の旅』獲得! おめでとうございますぅ!」
良太からクーポン券の入った封筒を渡されると、藤堂は早速中を開ける。
「何と、二名様じゃないかっ! 今年がんばってきた甲斐があったというものだ。ありがとうっ!」
藤堂はいかにも嬉しそうに大騒ぎで戻っていく。
編集会社のスタッフが目玉のオーストラリア旅行を当てたところでゲームは終わり、良太もようやくほっとひと息吐いた。
後片付けを翌日にまわせるのも、このレセプションルームが会社にあるおかげだ。
パーティの方もとりあえず一段落となり、良太はやっと落ち着いてグラスのビールを一気に飲み干した。
「いやあ、秘書なんかやってる場合じゃないよ、良太ちゃん。CM見たよ~」
そこへまたカメラマンにCMの話を向けられ、良太は閉口する。
「聞いたよ。ドラマにもでてるんだって?」
こちらも酒癖の悪い音楽関係のスタッフが、良太の肩に腕をまわしながら、酒臭い息を吹きかける。
「グラスが空じゃないか、おい、ビールこっち」
でっぱらのオヤジはお仕着せに身を包んだ近くのバイトスタッフを呼ぶと、トレーからビールを取って良太に渡した。
「やっぱ工藤さんの秘蔵っ子だけあるって、評判だぜ」
「良太」
あちこちから酒を勧められて断り切れず、そのたびに仕方なく飲んでいたが、これ以上飲んだらやばいな、と思った頃、工藤が良太を呼んだ。
「はいっ、なんですか~? あれ、今夜は珍しくずっといるじゃないですか、シャチョー」
「もういいから、お前、上がれ」
工藤が耳元で囁いた。
「へっ、れも、まだ……」
「いいから、もう部屋へ行け!」
「わっかりましたあ!」
気をつけなくてはと思いつつも良太は案の定酔ってしまい、必要以上に深々と頭を下げ、レセプションルームを出て、降りてきたエレベーターに乗った。
おぼつかない手つきで鍵をあけ、部屋に入ると、這うようにして炬燵のあたりに辿りつく。
住まいが会社の上にあるというのは、普通なら遠慮したいところだろうが、仕事の時間がはっきりしない良太にとっては、会社からコーヒーの冷めないところにある部屋は有難い以外の何物でもない。
ナーンと出迎えたナータンの頭をくりくりと撫でながら、「ごはん、今やるからな~」と、キャットフードの箱から、猫の皿にカラカラとドライフードを盛ると、お待ちかねのナータンはカリカリと音を立てて食べ始めた。
「よしよし~」
食べているナータンの頭をもう一度撫でてから、その場にぺたんと座り込み、ふーーっと大きく息を吐く。
「シャッチョー、今夜どっかのパーティって言わなかったっけ~? ってか、あそこで潰れちまったらまずいしな~ とにかくもうCMの話はやめれ~」
しばらくしてから寒いのを思い出し、炬燵に足を突っ込んだ良太はそのまま横になった。
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