これでもかというほど長いキスの後、「……サカりやがって! 俺は疲れてるって言ってるだろ!」と元気は精いっぱい喚いてみる。
のだが。
既に獣状態と化している豪には人間の言葉は通じないらしく、豪はそれこそものも言わずにバスローブなどとっくに脱げてしまった元気を肩に担ぎ上げるとベッドに放って組み敷いた。
それでもそのまま食らいつくようなことはせず、小憎らしいことに最近豪は元気のいいところを熟知していていいように喘がせる。
元気が頭の中から溶け始めた頃に中へと押し入って追い上げ、しまいには豪を欲しがって泣かせたあげく仕留めにかかるという策を弄するようになってきた。
翌日はディズニーランドなど絶対無理だと主張する元気に、豪はルームサービスで朝食をとらせ、引き摺るように連れ出して車に乗せた。
「俺、蒸気船でゆっくり河クルーズとかしてるから、お前ら何たらマウンテンとか、行ってくれば」
ディズニーランドに入っても、蒸気船すら乗りそうにない元気に「じじむさいこと言ってないで行くわよ!」と今日も朝から元気が有り余っている紀子が腕を引いて何たらマウンテンに乗るはめになる。
二人の後ろをついて回るお一人様状態の豪は、さすがに文句を言える立場ではないことは重々承知しているらしい。
いざ何年ぶりかで乗ってみると何たらマウンテンもそれはそれで面白く、結局また紀子に連れまわされた元気だった。
豪はひたすら元気の機嫌を取りつつ、降りる時は姫君扱いで二人に手を貸し、飲み物を運び、下僕と化していた。
銀座でこちらも好きな絵を堪能した東をピックアップし、豪はお勧めの店に三人を連れていくと、高そうな店でもきっちり支払いを済ませた。
「さすが、太っ腹!」
東が言った。
「みっちゃんに請求書回せばいいだろ」
元気が提案するが、「いや、これは俺のケジメなんで」と頑なにそれを拒否した。
帰りの車の中で元気は家に着くまでぐっすり眠り込んでいたのは言うまでもない。
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