工藤の手が触れるだけで簡単に良太の身体はまた熱を帯び始める。
サル以下じゃん、俺………
工藤が欲しくてたまらなくて身体を捩る良太に、工藤が笑って良太の腰を上げさせると、愛されて間もない身体は難なく工藤を飲み込んでしまう。
やがて己の中で焼けるように熱い工藤を感じたと思うと、深く突き上げられる。
「……あっ…あ……くど……う……っ……!」
強すぎる刺激に良太の身体は奥から甘く蕩けていった。
大体、勝手過ぎる。
良太はベッドからくしゃくしゃのシーツを剥がして洗濯機に放り込む。
あとは乾くまで放っておけばいいものの、それにしたって、こっちだって疲れているのに。
自分の洗濯物は一週間くらいためて洗濯しても平気だが、こんなものはオフィスに行く前に洗濯をしないではいられない。
起きたらとっくに工藤はいないし、昨夜帰ってきてそのまま工藤の部屋に引っ張り込まれたことをぼうっとした頭で思い出した良太は、慌ててバスローブのまま廊下に飛び出した。
放り出したままだったはずの荷物は良太の部屋に入れてあったし、どうやらナータンにご飯をあげたのも工藤らしい。
「当然だ、そのくらい」
人を散々な目にあわせておいて。
恨み言を心の中で呟きながら、良太はひとり頬を赤らめる。
存分に愛された身体はだるくて、特に腰は少し鈍痛を伴い、動くのも億劫だ。
驚いたのは、コーヒーを入れて足を突っ込んだ炬燵の上に、見慣れない包みを見つけて手に取った時だ。
リボンを解くのにちょっと指が震えてしまったくらい。
箱を開くと、おそらく店の人間が気を使ってくれたに違いないのだが、小さなカードに書かれた『Happy Birthday to Ryota』の文字。
一体工藤はどんな顔でこんなものを用意したんだろう。
カードの下には真新しい黒い文字盤のリストウォッチがあった。
文字盤のデザインは良太が今まで使っていた時計に似ているが、刻まれたマークはタグ・ホイヤー。
「俺なんかに、こんな高いもん、買うなよな」
こないだスキー用具一式、くれたばっかじゃん。
真帆とのことで、ごまかすつもりなのかもしれないし。
けれど、嬉しくないはずはない。
工藤がいない間に良太が二十六になることを思い出してくれたことや、良太の時計のベルトが切れかけているのをちゃんと見てくれていたということが。
それにしても、バースデイプレゼントだなんて。
「らしくないことするなよな。また天変地異に巻き込まれたらどうすんだよ」
ちょっと不安にもなる。
「一応、礼、言わないとな」
極寒の地から一気に春が来たような三月のある日。
ほかほかと心の中から暖かくなる、ほんのちょっぴり幸せ気分を味わっている良太だった。
back top Novels
