いざとなれば最終手段とも言っていた。
最終手段っていったい………
知る必要のないことって………
いや、やっぱ考えない方がいい。
それにしてもガチで暴力団の抗争?
そんな工藤の存在が関係してるなんて……。
いや、向こうが勝手に引っ張り込もうとしてるだけじゃん!
けど何? 平造さんを身代わりで刑務所に送ったのは工藤の祖母だって?
すんげえババア………
良太はネットで見た昔のヤクザ映画かなんかで極道の何たらとか言う、タトゥーとかじゃなくて牡丹かなんかの入れ墨が入ったもろ肌を脱いですごむ姐御さんという図を思い描いた。
はあ。
工藤が勾留されて二日目。
工藤、きっと苛立たしい思いでいるよな。
俺らがまだ何とかできないでいるから。
次の打ち合わせの後に、半蔵門の小田事務所に寄ることになっている。
波多野のことをとにかく伝えなけりゃ。
波多野が動いているってことを知ったら、工藤、少しは落ち着くだろうか。
千雪から連絡が入ったのは、打ち合わせを終えて駐車場の車に乗り込んだ時だった。
「はい、何かわかりましたか? ええ、これから小田さんの事務所に向かうところです」
だったら自分もこれから半蔵門に向かうと言って、千雪は電話を切った。
「何か朗報ならいんだけど」
良太はハンドルを切りながら独り言ちた。
新宿通りに面した半蔵門にある七階建てのビルの二階が小田弁護士事務所である。
良太は一階の駐車場に車を停め、車を降りようとしてまたポケットの携帯が鳴った。
今度はラインで、相手が波多野だと知ると、ドキリと心臓の音がする。
仕事上のやり取りに便利だからと、藤堂とともに波多野とラインの登録をしたばかりだった。
いくつかのファイルと画像が送られてきたが中に一つ妙な画像があった。
案の定、仕事とは関係のない、夜、どこかビルから出てきた黒ずくめの男の画像である。
「何? これ……」
最後に波多野から、先ほど渡された書類への追加でという説明の間に、画像の番号と、事件のあった夜、工藤が部屋に行ったとされる一時間ほど前の時刻、スーツケースを引いてホテルに入っていく男、また翌日ホテルを出る男の画像について、男が事件のあった部屋の上の階にチェックインし翌日チェックアウトしたことを千雪が得た情報として小田にホテルの防犯カメラを調べさせろというような内容が混じっていた。
一時間前ってどういうことだ?
そこへバイクの音が近づいてきて、千雪が降り立つとヘルメットを取った。
「どないした?」
携帯の画面を睨み付けている良太に、千雪が声をかけた。
良太はその画像を千雪に見せると、波多野から説明を受けた話をした。
「これって、誰から?」
「例の男です」
「なるほど、わかった。俺のダチが集めた情報やいうて、小田さんに調べてもらうわ」
千雪は良太の言葉ですぐに察してくれたようだ。
ヘルメットをぶら下げて良太の後から階段を上がりながら千雪は続けた。
「こっちも、一つ妙な情報が入った」
「妙な情報?」
良太は聞き返した。
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