空は遠く264

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 練のからかいにもそれ以上返す言葉が出てこない。
 部屋に戻ってコンビニの弁当を食べ、生茶を飲みながら、テレビをつけるとくだらないバラエティ番組をやっていた。
「あのやろう、ひでぇ風邪、引いてたりして」
 目はテレビを見ているが、頭の中では別のことを考えていた。
「やっぱ、明日ヤツが来たら、一応弁明して……って、何て言って弁明すんだよ、チクショ!」
 翌朝、ベッドに起き上った力は頭が少し熱っぽい気がした。おそらく昨夜あのまま、テレビもつけっぱなしで寝てしまったからだろう。
 子どもの頃から絵にかいたような健康緒優良児で、病院に行く理由と言えば、水疱瘡や麻疹以外では主に喧嘩が理由だったが、あちこち怪我をしてのことだった。風邪気味のことがあっても市販の薬ですぐ治るので、滅多に風邪も引いたことがない。
 球技大会のこともあるし、またドラッグストアで薬を買えばいいくらいに思っていた。
ところがそれより、さすがに佑人の欠席が三日目ともなると、心配というより漠然とした不安が力の頭をよぎる。
 もしかしたら風邪と怪我が相まって高熱で寝込んでいるとか。じゃなければ、やっぱ、そうだよな。
 嫌ってるやつにいきなり意味不明のことされたら、俺だったらぶん殴ってるぜ。
自嘲気味に自分で突っ込みを入れながら、さらに考えは悪循環にはまってしまう。
 あのヤロウ、まさかまた転校とか、考えたりしてねょな?
 あり得ないことはない。
 坂本じゃあるまいし、もともとこんなガッコ選んだことからして似合わねえ。
 その坂本は、朝、佑人がいるか確かめに来て、今日は絶対見舞いに行く、と息巻いていた。
 力はとにかく考えあぐね、三限目の終了ベルを聞くと、「俺も風邪で早退、加藤に言っといてくれ」と東山に告げると、たったか教室を出た。

 


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