空はやっぱ青い17

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「三振とったこともありましたよね」
 つい良太の口調もムキになる。
「打率七割だったよな」
「六割の間違いじゃないのか?」
 だんだん二人の言葉遣いも変わってきている。
「良太PとしてはかつてのライバルがMLBで活躍しているというのはやはり、悔しさマックスですよね」
 市川もまた突っ込みを入れる。
「それはもちろん、自分にもMLBに挑戦する可能性は一%くらいはあったと思うし」
 思わず豪語する良太を、沢村がフンっとせせら笑う。
「〇.〇〇一%でも多いだろうがよ」
「そういう言い方するから何様だとか言われるんじゃないのか?」
 ほんとにいつもの言い争いのようになってきたところへ、「はい、このように、お二人仲がいいんですが、良太Pが沢村選手に期待されていることは?」と市川がすっとまともな質問に切り替えた。
「そうですね、やはりここまで来たからには沢村選手にはぜひ、ガンガン活躍してもらいたいですね。それがかつての野球少年たちの期待だと思います」
 良太が言うと、「沢村選手としての今後の抱負をお願いします」と市川は沢村に振る。
「かつての野球少年の代表として、もちろん、ガンガン活躍するつもりです」
 その後、沢村にも壁にサインをというチームからの要望があったと市川が説明すると、沢村がサインをして、それがアップで映し出される。
「MLB、野球少年たちの夢はこれからも永遠に続いていきます」
 市川が締めて今回のレポートは終わった。
 ニューヨークからボストンまで車で約三時間半、飛行機だと一時間ほどだ。
 今回、初めてのFパーク取材にわくわくしつつ、飛行機で早めに現地に出向いた良太は市川やカメラマンの豊田と落ち合って、念入りに打ち合わせをしたはずだった。
 だが、いつの間にか市川のペースにのってしまい、結果うまくいったというところだ。
「全然打ち合わせと違う進行だったし」
 市川らが滞在しているホテルのラウンジでミーティングとなった時、良太は思わず口にした。
「最初からあの進行考えてたんだ?」
「実はそうなんです。あれはAプラン、二人のノリがいまいちだったらBプランって」
 市川はちょっと肩を竦めて笑った。
「でもすんごく、よかったですよ? 良太Pの固さも取れて、何とどこの番組でも大抵仏頂面のあの沢村選手が良太P相手だと素が出て、これは大成功でした!」
 市川が断言すると、豊田も「そうそう! おっ、って思いましたよ、沢村選手のあんな表情、滅多にみられない!」と大きく頷いた。
「そうなんですよ、沢村選手って、良太Pと話してると印象全然変わるし」
 手放しで喜んでいる市川に良太も苦笑する。

 


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