空はやっぱ青い18

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「あいつ、本来は、喜怒哀楽激し過ぎるくらいなんですけどね、これまでいろいろ酷評されたり根も葉もないことで叩かれたりしたんで、マスコミ相手には仏頂面しか見せないんです」
 良太は一応沢村を擁護した。
「その片鱗をちょっとでも画面に乗せられたし、この後の良太Pのレポートもこの路線でお願いします!」
 良太にそう念を押して市川らは翌日東京へと帰っていったが、市川のいうとおり、今回は反響が大きかった。
 やはりいつもぶすっつらの沢村が自然体で話しているのが話題になり、なおかつ良太とのやり取りも面白かったと、良太のところにも日本からわんさかメッセージが届いた。
 さらに後日、パワスポの殿村チーフからも、「こないだのは非常によかったよ。数字もちゃんと出ているからね。今後少し軌道修正して、あの路線で行こう!」などと、えらく張り切った声で電話が入った。
「あの路線、って………」
 少しでも数字が取れているのならいいのだが、やたら持ち上げてくれる殿村や市川の期待を裏切るようなことにならないようにしないと、と良太は息をつく。
 しかもだ、ちょうど真夜中過ぎ、結構その日の研修がきつかったので、風呂に入ってやっと疲労感が抜けてビールを一口飲んだ、その時、電話が入った。
「あ、良太さん! お疲れ様です」
「おう、モリー、今日も元気そうだな」
 東京のオフィスからめちゃくちゃハイテンションの森村の声に、良太はやや気後れして返事をした。
「や、SNSやネットでもこないだのMLBレポート、結構バズってますよ」
「ええ? いや、バズるとかってほどじゃないだろ」
 良太としては、それはもう切り替えて次の仕事モードに入りたいところなのだが。
「あ、ちょっと待ってください」
 森村の声が遠ざかったかと思ったら、「えらく好評じゃないか、MLBレポート」と聞こえてきた声。
「え、今東京なんですか? 好評なのはいいんですけど、殿村チーフまでが、次からあの路線で行けとか言ってきて」
「そりゃ、バズるくらいだから、殿村としても何匹でもどじょうはほしいとこだろ」
 工藤はからかうように言う。
「こないだは市川さんがいましたからね、次はどうなるかわかりませんよ」
 良太はちょっとムキになって言い返した。
「次のミーティングで、宮下も、沢村はあの路線で行きたいとか言ってくるぞ」
「はあ??? 宮下支社長が何で」
 意外過ぎる話に、良太はしばし思考をとめる。
「宮下から直接俺に連絡が入って、良太PにもCMに出演してもらうのはどうか、とか」
 それこそ寝耳に水な話で、「ちょっと待って下さい、何ですか、それ!」と良太は思わず声を上げた。
 軌道修正どころの騒ぎではない、良太にしてみれば天と地がひっくり返りそうな話だ。

 


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