空はやっぱ青い34

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 東洋商事のCMプロジェクトのプランはなんと、アスカの口にした、あのまんま、MLBの沢村と良太Pでおしゃべりすれば、という案を工藤が東京に戻ってきた藤堂に伝えると、「それでいきましょう!」とバカにハイテンションで、そのまま佐々木に伝えられ、佐々木も躊躇なくOKを出したことから、とんとん拍子に形になっていく様相を呈していた。
 良太にも藤堂から連絡があったが、「それなら良太ちゃんも、肩の力を抜いてできるよね」とばかりにもう決定事項のように言われ、良太は「はあ、パワスポみたいにですか。けど、沢村やアスカさんは、MLBの選手と人気俳優という肩書がありますが、俺って何でもないんで、それでいいのかってきがしますけど」と怪訝そうに返した。
 すると藤堂は、「何を言ってるんだよ、良太ちゃんはパワスポの良太Pであり、青山プロダクション期待の新進プロデューサーでしょうが」と声を大にして言う。
「ちょっとそれ、盛り過ぎでしょう。ってか二人は本人で行くっていうのに、ウソ偽りな人間が混ざっていいもんかどうか」
 決定事項のように、ではなくほぼ決定事項だと良太もふんでいたが、ついついそんな難癖をつけたくなってしまう。
「どこがウソ偽り? パワスポの良太Pは事実だし、良太ちゃん、今、青山プロダクションの期待を担って、ネットプライムに研修に来てるわけでしょうが」
 うーん、と唸りつつ、「はい、わかりました」と良太は仕方なく応える。
「それ、よくないよ? 自己評価低すぎだし、何かイヤイヤやらなくちゃ、とかだと、うまくいくものもいかないよ?」
 藤堂の言葉は正論だ。
 良太は電話を切った後でふう、と息をつく。
「イヤイヤやったらうまくいかないよな、確かに」
 ぼそりと呟いて、「あーあ、どうしたもんかな」と大きな声を出した。
 工藤からは連絡がない。
 藤堂の話だと、アスカが口にした案を工藤が伝えてきたというが、良太には直接何も言ってこない。
 まあ、また口喧嘩ッぽくなるかもだから、いいけど。
「まったく、どうしたもんかな」
 同じようなセリフをオフィスで聞いていたのは佐々木だった。
 藤堂が良太の不承不承的な返事を伝えてきたのだ。
 ニューヨークは夕方の五時だから、東京は朝の六時くらいだろう、本当に藤堂のテンションを少し良太に分けてやってほしいものだ、と佐々木は思う。
「そうやねえ、俺、今度ちょっと良太ちゃんと話してみますよ」
「うん、よろしくお願いしますよ」
 藤堂も心配そうに言った。
 良太の中で引っかかっているのが、過去の黒歴史ということは聞いたが、どうやらその黒歴史自体より、その時の工藤との感情的なやり取りにあるらしいとは、藤堂の話から佐々木も察したのだが。
「一番理解してほしい人に、あんなん言われたら、やっぱなあ」
 口にした佐々木に、「え、何か言った?」と直子がパソコンのモニターから顔を上げた。

 


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