幻月16

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「『ベア』は松下美帆がオーナーママいうことになってますけど、中堅建築会社社長の友成陽介五十七歳が店の資金二千万出してて、ママの男やいう話です」
 千雪は店の外観や、店内の画像、それから男の写真を画面に映し出した。
「『ベア』は松下美帆がオーナーママいうことになってますけど、中堅建築会社社長の友成陽介五十七歳が店の資金二千万出してて、こいつがママの男やいう噂らしいです」
 千雪は店の外観や、店内の画像、それから男の写真を画面に映し出した。
「それからセントラルハイアットホテルの『スマイル』と、そのバーテンダー田島、スタッフの加藤、レジの井坂、このスタッフの加藤が工藤さんを松下美帆と一緒にホテルの部屋に運んだいうことです」
 『スマイル』の店内、スタッフらの顔写真がずらりと画面に映し出された。
「いったいいつの間にこんな情報を」
 小田も驚いている。
「工藤さんから動画を受け取ったのは九時を回った頃やったから、すぐにこれらの店にダチをやったんです。警察は工藤さんを犯人と決めつけてますし、あいつらが裏取りするよりも早く動いてます」
 きっぱりと千雪が言った。
「何だか千雪さん、警察を目の敵にしてるみたいだね?」
 秋山が言った。
「そら、あんなアホな連中に任せとったら日本は冤罪天国になってまいますわ」
 さらにきつい千雪の言葉に、そういえば昔、冤罪で逮捕されかけたと聞いたのを良太は思い出した。
 時々千雪はあの綺麗な顔で、恐ろしいことを平気で口にすることも、良太は知っている。
 その時、オフィスのドアが開いて入ってきたのは、千雪の相棒とされる綾小路京助だった。
 良太は思わず立ち上がって、京助を認めるとまた座り直した。
「ホテルの方は、もう店じまいしたが、警察が来て話を聞いてったぜ」
 どうやら『スマイル』を調べていたのは京助だったようだ。

 


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