「フーン。ここ部屋はいくつあるん?」
「下に広めの部屋と風呂、上は八畳くらいのが三つと十四畳くらいのが一つ。家具は総入れ替えしたが、ベッドが入っているのは十四畳だけだ。バスルームを一つ作った。あんまり教えたくはないが、大やガキどもくらいならな」
「なるほど」
いくら何でも二人だけで使うには広すぎるだろう。
「お前も、やたらめったら話すなよ? 使いたがる連中ばっかだからな。特に速水とか佐久間とかに知られねぇようにしろ」
眉を顰めて京助は念を押した。
「あいつらに俺が話すわけないやろ」
ワインで頬を赤く染めた千雪は笑う。
「ほんで、スキーしに来たんか? どこ行くん?」
「スキー場なんかその辺にあちこちあるだろ。クリスマス寒波でどこも雪は問題ないし」
京助はさほど意気込みを見せるでもなく、そう言うとワインをグラスに注いだ。
「なんや、そのために来たんちゃうんか?」
「まあな。それもいいが、俺はゴロゴロしてぇんだよ」
「はあ? 何やそれ」
千雪は怪訝な顔で京助を見た。
「ただゴロゴロしたいだけに、わざわざこんなとこまで来て、俺まで巻き込んだんか?」
ちょっときつい言葉で千雪は京助を問い詰める。
「フン、うるせぇ外野がいないとこで、お前と、ゴロゴロするのがいいんじゃねぇか。クリスマスして」
また文句を言おうとして、さり気に京助が口にした言葉を反芻した千雪は、たまには二人だけもいいか、とも思う。
「まあ、ええけど」
千雪はグラスを傾ける。
外は雪が少し強くなってきたようだ。
音もなくしんしんと降っている。
「せえけど、雪、大丈夫なんか? クリスマス寒波て、雪半端なく降るんやないか? ちゃんと帰れるんやろな?」
千雪は窓の外を見て、少し心配顔になった。
「ああ? ほっとけ。そん時はそん時だ」
「ああ?」
いい加減なことをぬかす京助に、千雪は眉を顰めた。
「ああ、いい加減食ったな。んじゃ、そろそろやるか?」
「は?」
徐に立ち上がった京助を千雪は見上げた。
京助は千雪の腕を掴んで立ち上がらせると、そのまま引き摺るようにしてさっき荷物を入れた寝室へと向かう。
「わ、何すんね!」
落としそうになったグラスを辛うじてテーブルに置くと、千雪は喚いた。
「やることやらないとな。クリスマスなんだ」
「わけわからんこと言うな! クリスマスと何の関係がある!」
「知らねぇのか? クリスマスってのは食事とベッドを用意してやりまくるってのが日本の風習だろうが」
呆れたセリフを並べ立てる京助に、「アホか! 何が、風習や!」と喚き散らす千雪だが、次にはベッドに押し倒される。
「さっきの話から、何でそんな気になるんや!」
「俺はここに着いた時から、やりたくてうずうずだったんだ」
抵抗する千雪の手や足をものともせずに、たったか千雪のパンツを引き下ろす。
「寒いわ! そんな気ぃにならん、言うとるやろ!」
「すぐにその気になるって」
京助は手早く千雪からセーターも剥ぎ取ると、色悪のような台詞を吐く。
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