たまにはクリスマスを9

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 暖炉の前に持ってきたシルビーのベッドを置くと、シルビーは早速陣取って寛いでいる。
 キッチンに入って行った京助は、トートバックからいくつかのタッパなどを取り出してレンジで温めていた。
「テーブルにシチューとハンバーグとパンを乗せる皿を出してくれ。それとグラス」
 キッチンから指令が下ると、千雪はダイニングテーブルの横にある食器棚から、皿やワイングラスを出し、引き出しを探ってカトラリーを取り出した。
 テーブルマットもあったので、それを敷いた上にカトラリーを並べ終えた。
 手持無沙汰の千雪がキッチンに行くと、ガスレンジの上では見覚えのある鍋が湯気を上げていた。
「鍋ごと持って来たん?」
「シチューは昨日作っておいた」
 電子レンジで温められたタッパを取り出すと、「皿、持ってこい」と京助は千雪に指示する。
 ハンバーグとサラダ、それに温かいシチューにパンを添えて、ディナーの出来上がりだ。
「うわ、うまそ!」
 たったかテーブルにつく千雪の前にグラスを置くと、京助はワインを注いだ。
 バターケースを持ってくると、京助も千雪の向かいに座った。
 シルビーも肉付きの骨をもらって既に取り掛かっている。
 グラスを合わせると、いただきます~と千雪はシチューにスプーンを入れる。
「うま!」
 しばらく食べるのに専念していた千雪は、「食器とかキッチンとかも業者に頼んだん?」と思い出したように聞いた。
「夏に軽井沢に来た時に、ここを見つけて買ったんだが、リノベ頼んだ業者に、家具や食器やリネン類も一緒に頼んだ。あとはネットのやり取りだけで、実際ここに足を踏み入れたのは夏以来だ」
 京助はワインを飲みながら言った。
「へえ、ほな、あんまり人には言うてないんやな?」
「お前に今言ったくらいだ」
「ほな、俺も何ぞの時に使わせてもろてええ?」
 すると京助はフンっとせせら笑う。
「多部から逃げる魂胆だろ? 使うのはいいが、必ず俺に連絡入れてからにしろよ」
「わかった」
 あらかた食べ終わると、千雪は改めて部屋を見回した。
 吹き抜けになっているリビングの天井にはアンティーク風なシーリングライトが取り付けられ、細部に渡ってデザイナーの手が入っているようだ。
 ただ、壁に掛けられた絵だけが、他と釣り合わずに浮いている。
「あの絵だけ、違う感じやな」
「さすがに絵は業者に頼むわけにはいかないから、何かまた探すさ。とりあえずレプリカでも掛けとけって頼んだのさ」
 

 


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