雪の街14

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  ACT 4
 

 外はまだ雪が降り続いているというのに、若者たちがあとからあとから店にやってきた。
 中にはオヤジや美魔女もチラホラ混じっている。
 ひとしきり飲んだり食べたりが終わると、やがて元気の「Merry Christmas!」の声と、ギターの合図でライブが始まり、店内は一気に盛り上がりを見せる。
 店に入ってくる客から紀子が会費を受け取り、朔也、豪と正人は彼らに飲み物を渡す。
「へえ、いい音出してるじゃん」
 ツリーの隅で、元気のギターに耳を傾ける朔也はボソリと口にする。
「あたりまえですよ。元気の音、健在!」
 隣で豪が自慢げに言った。
「しいて言えば、ボーカルか」
「それもご愛嬌ってことで」
 豪が笑う。
「まあ、朝倉じゃあなー」
「朝倉さんと同級生なんっすか?」
「ああ。会ったのは卒業以来」
「へ、朝倉の若旦那と同級生? ってことは俺らより二つ上? とても見えないっすね。こちらには休みで帰省したんですか?」
 遅れてやってきた着膨れした男は東と名乗り、朔也の隣にやってきて汗をふいている。
「いや、じいさんがくたばっちまったから、こっちにはもううちはない。けど、まあ、たまに、元気の顔を見に?」
 朔也は答える。
 だが、懐かしい顔に会えたのは嬉しかった。
 朔也はそれこそ卒業して以来そんな風に思ったのは初めてだ。
 これも清隆に再会したせいだろうか。
 にしても、清隆のやつ、おっせーなー。
 電話があってから、店の柱時計を睨みつけること数回。
 ほんとに事故でも起こしてるんじゃなければいいが。
「そういえば、どっかでお会いしましたっけ?」
 東も似たようなことを朔也に聞いてくる。
「そっか?」
 テレビを見る人間なら、CMやドラマなどで朔也の顔はインプットされているのだろう。
 そう聞くのも無理はないのだ。
「へえ、あの絵、あんたが描いたのか? いいじゃん」
 店内の絵を描いた作者だと知ると、朔也はしばし東とイタリアの画家の話で盛り上がる。
 ハプニングはそんな時、やってきた。
 ドアが開いて、数人が入ってきたので雪と一緒に冷たい風が店に吹き込んでくる。
「あ、会費、三千円でぇす!」
 一瞬、ぽけっとした紀子だが、慌てて入ってきた面々に呼びかけた。
 最後にぬっと現れた黒ずくめの男は、一斉にみんなの目を引いた。
「おい、こいつらって……」
「まさか、GENKI………?!」
 誰からともなく、ささやきが聞こえてくる。
「またかよ、おい、豪、ここって、東京とかのスタジオじゃねーんだぞ。かた田舎の茶店にしちゃ、業界人間の人口密度、濃すぎるぜ」
 東が呟いた。
「じゃ、みんなの分まとめて、一万八千円プラス迷惑料ってことで、とりあえず三万円ね」
「わあ、ありがとう、さすが、みっちゃん!」
 超人気芸能人からもしっかり会費を取っている紀子は、みっちゃんに特別の笑顔をサービスする。

 


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