ACT 4
どこだろ、ここ……
頭が重いしガンガンする。
何だっけ、俺、どうしたんだっけ…?
目を開けると、外はまだ明るいようだが、分厚いカーテンが覆っていて部屋の中は薄暗い。
家具調度を見ると、半端でなく豪華な代物のようだ。
痛って……
ようやく良太は自分がどんな状態か、ようやく確認する。
後ろ手に縛られて大きな部屋の絨毯の上に転がされていた。
しかもシャツとパンツっきりの姿だ。
立ち上がろうとするが、足首も縛られているらしく、哀れな格好でまた絨毯に突っ伏した。
「くっそー! 鴻池のやろう!」
もはやさん付けなんかするつもりはない。
「今度あったら、ただじゃおかないからな!」
芋虫のように這いずりながら、良太は口にする。
「お早いお目覚めだな」
ドアが開いて、現れたのは鴻池と阿部だ。
「一体何のつもりだ!? これ、解けよ! ここ、一体どこなんだよ!」
「全く、ワンワンと煩いハエだな」
喚く良太に鴻池は冷ややかな視線を向け、傍らの椅子に深深と腰を降ろす。
「何だと!?」
カッと熱くなる。
今にも飛び掛ってやりたいが、如何せん、手も足も動かない。
「羽をもいだハエは芋虫だな」
工藤の先輩というのだから、そう若くはないはずなのに、年齢不詳のきれいな顔を少しゆがめ、鴻池はボソリと言う。
ぞっとするほど冷たい目、その目を、良太はとっくに見ていたはずだった。
「阿部、好きにしていいぞ」
近くに立っていた阿部に、鴻池が促すように言った。
良太の心臓がドクドクと大きく脈打ち始める。
「何すんだよ!」
近づく阿部に向って良太は吼えてみせる。
「あんなに情熱的に誘ってたのに、のってこないんだもんな」
阿部は言いながら良太の体を担ぎ上げたと思うや、傍らの大きなベッドに放った。
そしてシャツを引き裂くと、上から押さえつける。
「やめろ!」
「男好きなんだろ?」
にやにや笑う。
「てめーなんか、お断りだ! 離せってるだろ! おい、鴻池! 貴様、どういうつもりでこんなことするんだ!」
喚く良太を冷ややかに見ているだけだった鴻池が口を開いた。
「お前が来ないんで、撮影は延期だそうだ。青山プロダクションは大打撃だな」
「工藤さんに何の恨みがあるんだ!」
「工藤に恨み? そんなものあるはずがないだろう。心配することはない。私がちゃんと工藤のフォローはしてやるから」
鴻池は立ち上がり、薄笑いする。
「いつまでも工藤の周りをちょろちょろしているから、こういう目にあうんだ」
やはり――――――
良太は思った。
この男は恐ろしく工藤に執着しているのだ。
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