やがてポリ袋を手に響が戻ってきた。
「アイス、クッキーアンドクリームでよかったよな?」
助手席に座りしな響が聞いた。
「俺の大好物です」
井原はエンジンを掛けながら、ついでに「響さんの次にですけど」などと付け加える。
「は?」
響は怪訝そうな顔をするものの、まだ井原からのそういった直接的な表現をまともに浴びると頭の中が沸騰しそうになる。
さり気に窓の方を向いて、熱を冷まそうとするが、赤くなった耳は暗い室内でも何かの光に当てられて井原には見えてしまう。
ここでまた可愛いなどと言ったら響のことだ、車を降りるなどと言いかねないと、井原は黙ってハンドルを握る。
井原の部屋に着くと、「響さん、先、シャワーどうぞ。俺、酒の準備とかしてますから」とごく自然に言われて、響は「おう、じゃ、お先」と返してバスルームに入っていく。
「いつも俺のじゃ、動きづらいでしょ、響さんサイズのジャージとかありますから」
二度目にここに泊まった時に井原に言われたが、いつの間にか響用のもの、カップからグラスから歯ブラシから何から、用意されていて、響にとっては非常に居心地がよかった。
そしてもしその様子を元気などが見ていたら、獲物を確実に追い込むライオンみたいにお前はうまく立ち回るな、とでもいうだろう、響にそうと気づかせずに徐々に距離を縮めていく段取りがうまい。
ワインで乾杯し、追いコンの話などをしながらやがて響の耳朶スレスレに囁くように話す。
次には唇で耳朶に触れ、首筋に触れながら、指は響のジャージの下に潜り込む。
さらに今度は唇を啄みつつゆっくりとソファに押し倒す。
口づけが深くなると響の吐息はもう熱くなる。
響を抱くのはもう数回だが、やはり、と井原が思ったことがある。
押し倒され慣れてないか? 響さん!
下肢に指が触れようものならもう熱は響の中で沸騰し始める。
絶対、感度良すぎ!
はあん、という声が井原の耳に届くともう堰が切れてしまう。
やっぱり、この人メチャ可愛過ぎ!
でもって感度良すぎなこんな可愛過ぎな響さんを、あいつ、抱いてたのか?!
井原の中で沸々と沸く怒りとともに爆発しそうだったものが一気に脳髄を突いた。
絶対、魅入られる。
絶対離れがたくなるに決まってる。
ドイツくんだりからこんな片田舎まで追いかけてくるくらい!
あのやろう!!!
井原はいつぞやの金髪男を頭に思い描いて心の中で殴り倒した。
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