深く口づけながら身体を繋げれば切なげな眼差しで響は井原を射抜く。
「あ……もう……ダメ……いは…ら……」
あああああ、もう、ダメなのはこっちだ……!
我慢の限界で井原は響の中に埋没する。
官能に従順な響の身体を昂らせ追い上げる。
「こんな……可愛い顔を…あのヤロウにどんだけ見せたの……」
井原のどうしようもない呟きに、響は答えようもなく、揺さぶられ続ける。
いつの間にかソファからベッドに雪崩れ込み、幾度めかもわからないくらい夢中になり、響の熟し切った身体は背後からの井原をも簡単に飲み込んで声にならない声をあげながら、意識を飛ばした。
翌朝、死んだように眠っている響を起こさないようベッドを降りた井原は、昨夜の常軌を逸していた己の所業を多少後悔したものの、十年も響をなぜ放っておいたのかと、そちらの後悔の方がよほど強かった。
シャワーを浴びて、頭に水でも被らないことには、シャキッとできなかった。
昨夜のままのテーブルを片付け、スクランブルエッグとトマトやレタスを皿に盛りつけ、バケットを切って横に乗せ、コーヒーを入れた。
キッチンのテーブルに二人分の朝食を用意し、ベッドルームに戻ると、響はまだ眠っていた。
その唇にキスを落とすと、響が身じろいだ。
「朝飯、できてる」
少し目が明いた響にもう一度キスをしたところで、覚醒したらしく、響は身体を起こした。
「大丈夫?」
問われて響は何がとも返せず、「シャワー浴びる」と言った声が少しかすれている。
井原が部屋を出たところで慌てて傍らの椅子に引っ掛けてあったジャージを着たが、早いとこバスルームに行きたいにもかかわらず、身体が自分のものではないようにぎくしゃくする。
ようやく頭からシャワーを浴びた響は、昨夜の乱れ切った自分を思い出して沸騰しそうになる。
今日は午後四時頃から生徒がレッスンに来る予定なので、それまでに帰らなくてはならないし、にゃー助も寂しい思いをしているに違いない。
井原はタオルで頭を拭きながらバスルームを出てきた響を見て、「ちゃんと乾かさないと風邪ひくよ」とその手を引いてリビングのソファに座らせた。
ドライヤーを響の髪に当てながら乾かしていくのだが、ふとした弾みに井原の指が首筋に触れると、それだけで響の肌が反応する。
途端、またぞろ井原はスイッチが入りそうになって、無暗に髪を掻きまわした。
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