雪の街15

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 メンバーと一緒に入ってきた女性は美人だが、きりりとスーツを着こなしたバリキャリという感じだ。
 ステージ、といっても狭い店内のことだ、一平たちが入ってきたことは、演奏している元気にもはっきりわかり、ちょっと眉をひそめる。
 また、そろってかよ、涼子まで。
 すると涼子が元気にひらひらと手を振った。
 焦ったのは、『昇り竜』の元気を除いた面々だ。
「おい、元気、やつらの前で、やれってか?」
「びびんなくてもいいよ、若旦那。やつらなんか気にせずに」
「お、おう!」
 といったところで、曲の最後で声がひっくり返ったとしても無理からぬことである。
 サングラスの奥からじっと一平に睨みつけられているのだ。
「夜なのにサングラスなんかかけやがって。………じゃあ、次、『WHITE CHRISTMAS』!」
 元気の声がマイクを通して店内に伝わると、後ろの方から黒い影がステージに上がる。
「混ぜろ」
 いきなりすごまれて、朝倉はひえっとばかりに、マイクを一平に渡してしまう。
 それでも、一平は後ずさりする朝倉の肩に腕を回し、元気のギターに合わせてメタル調の『WHITE CHRISTMAS』を熱唱する。
「間に合った~! 何か、豪華やなー、今日のライブ」
 最後の最後に店に入ってきた清隆の第一声だ。
「松田! 会費」
「えー、もう終わりやろ? 負けといてよ、紀ちゃん」
「そうはいかないの。一平にだってちゃんともらったんだから」
 容赦ない紀子の言葉に、清隆は渋々財布を取り出して紙幣を渡す。
「遅かったな。俺はまた雪にでも埋もれたかと思ってたぜ」
 朔也はすぐに歩み寄ると、笑いながらビールの入ったグラスを渡した。
「お前な、それが遠路車を飛ばしてきたな○×○×にいう言葉か」
 急に音が大きくなったので、清隆の言葉はかき消される。
「るさいな、わざわざこんな雪の日にくるから悪いんだ」
 とはいえ、朔也も少しは心配していたのだ。
 清隆の顔を見て、心の中でほっと胸を撫で下ろした。
 ラストはアンコールの大声援にこたえて、GENKIのメンバーもクソ狭いステージで『SILENT KNIGHT』を合唱し、ライブは終了した。
 客たちはハプニングにも大満足で、やがてそれぞれの家路につき、残ったのはGENKIのメンバーと涼子、それに元気のいつもの仲間たちだ。
「清隆~!!!」
「おう、若旦那、元気してたか?」
「てめー、最近ご無沙汰じゃねーか。いい女でもできたか? え?」
「山崎じゃねーか、お前こそ何してんだよ」
「去年、こっち引き上げて先生様だ」
「ちぇ、もっと景気のいい話、ないのかよ」
 早速、清隆は同級生に捕まっていた。
「おい、朔也、何、やってんだ? お前、エプロンなんかして」
 ビールをごくごく飲み干すと、清隆は豪や正人らと片付けを手伝っている朔也に気づいて声をかける。

 


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