霞に月の36

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 そんなことを考えていた良太だが、翌日下柳から入った連絡で、俳優が二人になるのを知った。
「良太ちゃん、こないだ直子ちゃんと話してただろ、ほれ、異業種何とかって集まり? ひとみがくって言って来たんで、俺とひとみ、人数に入れといてくれ」
「え、何でひとみさんが………」
「ああ? 宇都宮さんから聞いたらしいぜ?」
 うわ、これだから油断も隙も無い、と良太は仕方なく、参加者リストに二人を加えた。
 日程は四月の第一土曜日の午後六時から、場所は何と綾小路邸ホールになったと、千雪から連絡が入ったのはその夜のことだった。
「工藤さんは?」
 千雪の問いに「今ゴールドコーストです」と良太は答えた。
 南澤奈々をイメージキャラクターにしたCMの撮影である。
 映画のオーディションに応募した頃はまだ高校生だった奈々も既に成人しているものの、この業界に反対した父親の手前もあり、海外での仕事には工藤が出来る限り同行している。
「土曜日、工藤さん日本におるんやろな?」
「それは大丈夫かと。でも俺が誘ったってダメだと思うんで、紫紀さんの方からちゃんと誘導してくださいよ?」
「乗り気やで? 紫紀さん。さすがに今からセキュリティとかいろいろ加味してパーティ会場押さえるんは難しいいうことで、綾小路邸のホール提供してくれたし」
「はあ。綾小路邸とかなんかえらく仰々しいことになってきましたね」
「まあ、ええんやない? あこやったら、藤原さんもおるし、ゲストのプライバシーも守れるし」
 確かに千雪の言う通りだろうとは良太も思う。
 今まで母屋の方は初釜で二度ほど行ったことがあるし、紫紀と小夜子一家が住む敷地内の別宅にも訪れたことがあるが、軽井沢の別荘と同じく高い塀に囲まれた屋敷で、おいそれと誰でも入れるようなところではない。
「ほんで、参加者リストで揃ったん?」
「はい。うちは、工藤と俺とモリーとそれから秋山さんにも念のため行ってもらうことに。うちはそれだけなんですが、仕事関係で大森美術の大森さん、あとうっかり耳に入ったみたいで、宇都宮さんと山内ひとみさんとマネージャーの須永さん、それに下柳さんで、俳優陣混じりますけど」
「まあ、ええんやない?」
 藤堂からは、佐々木と直子、デザイナーの美紀、それから直子の友人の高野さんと中井さん、あとイリュミネというバンドのボーカル、キョウヤの六名、千雪側からは、千雪と京助、理香と速水、理香の友人関連ではスキーに参加した友田の他、浜村、法医学研究室の准教授香坂、法学部宮沢研究室の小野寺、三田村と友人のバイオリニストのバルツァー、それから千雪の友人辻と加藤も参加するらしい。
「あとは、紫紀さん関連で、大河内由樹さんと京助の親戚の長樹さん、東洋グループ傘下の病院の外科医や」
「え、大河内さんって、沢村の従姉でしたよね?」
「ああ、そう。初釜で会うたやろ? あの人シングルマザーやし」
 ってか、由樹さん次期三友産業CEOだろ。

 


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