空はやっぱ青い45

back  next  top  Novels


「そうですね、もうそれは沢村に合わせるしかないんで、一日はオールスターゲームのオフ四日間のうちのどこかで利用させてもらうとして」
 そうか、オールスター、どうなんだろ。
あいつ、結構活躍してて、人気もうなぎ上りだけど。
 沢村が一年目でオールスターに出場できれば、パワスポとしてもレポートのやりがいがあるというものだ。
 部長の殿村は沢村が選出されるものとして、番組を組んでいる。
 ロスアンゼルスドジャースの大川選手は当然のように選出されるのを見越して、もちろん、市川アナも日本から駆け付ける予定になっていた。
「ああ、オールスターのこと考えてる? 彼、選出されるんじゃない? 監督押しだし」
 良太が少し考え込むと、勘のいい藤堂がすかさず言った。
「いや、監督押しでも、まだわからないですよ。いずれにせよ、選出されると考えて進めないと」
「せやね、それぞれ、何か言いたいこと、三人には考えてもらういうことで」
 佐々木が言った。
「なんや、出演するメンツに、テーマ押し付けるみたいで申し訳ないけど、とりあえず、近々なんかしゃべりたいことあるか、聞いてみんと」
「はあ。アスカさんは溢れるようにおしゃべり出てきそうですけど、沢村がどうなんだろ」
 良太は少し小首を傾げる。
「そりゃ、佐々木さん、良太ちゃん、沢村のことで何か思い当たることあれば言ってよ」
 藤堂が茶化し気味に問う。
「やっぱ、野球のことやない? リトルリーグのこととか」
 佐々木が良太を見た。
「そうですね。野球のことなら……」
「二人に任せておけば、いろいろ出てくるんじゃない?」
 藤堂が言った。
「ただ、意外性もあると面白いかもね」
「意外性、ですか?」
 良太は藤堂に聞き返す。
「もちろん、良太ちゃんとおしゃべりしてるだけでも、普段寡黙なイメージは払拭できるかもだけど、意外なものに興味あります、みたいな」
「意外な、ものですか」
 藤堂の言葉に、良太は今度は佐々木を見た。
「ほら、もっさい柔道家が実は可愛いもの好きです~みたいな?」
 佐々木もうーん、と考え込んだ。
「あ!」
 声を上げた良太を藤堂と佐々木が振り返る。
「何かあった?」
「いやあ、ほら、茶道、佐々木先生に無理やり教わってるみたいじゃないですか」
 すると、佐々木も、ああ、とは言ったものの、難しい顔をした。
「佐々木さんにリンクするみたいな気がするんでしょ」
 藤堂が言い当てた。
「あ、そっか」
 良太も思い当たって、ふう、と息をつく。
 佐々木は沢村とのことを極秘にしたいわけで、それは知られるのが嫌なわけではなく、沢村のことを考えてのことなのだが、沢村はそこのところ無頓着だから、佐々木は気を使っているのだろう。

 


back  next  top  Novels