恋ってウソだろ?!41

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「佐々木ちゃん、外寒いから、ちゃんと髪乾かさなきゃだめだよぉ?」
 直子は佐々木の相手が例え男だったとしても、そうなんだ、で納得してしまうかもしれない。
 ただ二人の関係をどう説明すればいいのかわからない。
 とにかく、今夜はトモに会えるのだ。
 師走を吹き抜ける風の冷たささえ気にならないくらい、佐々木の心は高揚していた。
 東洋商事のプランはすんなり通り、プラグインのオフィスに寄って、スケジュール調整をし、来週早々、制作会社との打ち合わせとなった。
 図らずも因縁の河崎と一緒に動くことになったわけだが、いざやってみるとその命令口調はいかんともしがたいところがあるものの、佐々木や三浦の意見を的確に拾い上げ、着実に仕事を進めていく。
 しかも、仕事以外では相変わらず女に言い寄られるところを目の当たりにしたが、河崎本人はそれをうまくかわしている。
 三浦の話でも、佐々木の手前ということでもないらしい。
 藤堂が出前を取ってくれたので、プラグインで夕食を済ませ、佐々木がオフィスに戻ると既に八時を過ぎていた。
 うとうとしていた佐々木は、午後九時を少し回った頃、オフィスの前の通りに車の停まる音で目を覚ました。
 階段を駆け上がってくる音がして、やがてドアが開いた。
「三週間ぶり、佐々木さん」
 トモの顔を見た佐々木は、言葉も出ないほど嬉しく、安堵している自分を知った。
 パソコンの電源を落とし、スタンドの灯りを消した途端、佐々木は駆け寄ってきたトモに抱きしめられた。
「会いたかった………」
 その言葉を裏付けるように、佐々木を抱きしめるトモの腕に力が入る。
 それから長いキスのあと、ようやくトモは佐々木の肩を抱いたまま、オフィスを出た。
 トモが佐々木を連れて行ったのは、二人が初めて一緒に泊まったホテルの同じ部屋だった。
 互いの渇きを満たしたいばかりで、部屋に落ち着くや否や、二人はただひたすら求め合った。
 信じられないほど貪欲にトモを欲しがっている自分を佐々木は認めざるを得なかった。
 幾度となく肌を重ねたあと、ぐったりとトモに身体をあずけて目を閉じている佐々木の髪を、トモは優しく指で撫でた。
「あなたを……離したくないな………」
 佐々木は夢うつつに聞いていた。
「ねえ、佐々木さん……俺のこと、知りたい?」
「ああ……知り……たい……」
「俺、実は………」
 だがトモが気づいた時には、昨夜の徹夜が尾を引いて、佐々木は既に眠りの中にいた。

 


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