Tea Time30

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「とにかく、タケさん、七海に今度会ったら、ちゃんとおごってやってくださいよ」
「わかったよん~」
「あ、そうそう、幸也さんとこの猫の世話、ちゃんとお願いしますって、幸也さんからの伝言」
「え、仲直りしたんだから、勝っちゃんも行こうよ。明日、迎えに行くから」
 またしても勝手に決めた武人に連れられていったのだが、幸也の留守宅で猫の世話をしたりしていることが、勝浩は何だか嬉しかった。
「勝っちゃん、ユウが中に入れてくれないのって目で俺を見るんだけど」
 幸也に言われて勝浩は我に返る。
「あ、すみません」
 慌てて鍵を開けると、ユウが飛び込み、そのあとから幸也と一緒に勝浩も中に入る。
「幸也さん、食事は?」
「機内で食べたきり、成田からこっち来るのもたついちゃって」
「じゃ、何か、作りましょうか」とキッチンに向かおうとする勝浩を幸也は再び後ろから抱きすくめる。
「あとで。もうずっと俺、勝っちゃん欠乏症」
 耳朶に直接伝わってくる幸也の言葉はかあっと身体中が一度に熱を帯びたように勝浩の力を奪っていく。
 そのままベッドに勝浩を組み敷いて、飢えた子どもががっつくように幸也は勝浩からパーカーを脱がせ、Tシャツを剥ぎ取り、愛しい身体を抱きしめ、唇を奪う。
 おずおずと幸也のキスに応えようとする勝浩に幸也は幾度も口づけながら、勝浩の強張った身体を解していった。
 しばらくして思い出したように自分も上着を脱ぎ捨て、シャツを脱ぎ捨て、互いの肌が触れ合うと熱が否応なしに増していく。
「俺、今回はもうセーブしねぇからな」
「……いいですよ……受けて立ちます」
 挑戦状を叩き返すかのような勝浩に、幸也は苦笑交じりに渇望していたその身体に食らいついた。
 幸也さん、と譫言のように繰り返す勝浩を幸也はゆっくり追い上げると、山小屋以来ようやく辿り着いたとばかり、勝浩の白いうなじから鎖骨の浮き上がった背中へと愛しげに指で唇で味わいながら、幸也は熱いその中へと性急に身体をつなげた。
「あ……幸也……さん……!」
 静かに目じりから涙が転がり落ちる。
 そんな勝浩の唇から零れる吐息が切なげで、背中に回した勝浩の指の感触も手伝って幸也からは最後の理性もどこかへふっとんだ。
 作為的に動いて、勝浩の身体の奥から思いもよらなかった快感を引き出していく。
「あっ…………俺………変……」
 あまりにも深い愉悦に体をふるわせながら、訴える。
「俺なんかめちゃくちゃ変なんだよ」
 幸也の前に自分の中の浅ましさすらさらけ出されてしまう、そんな怖れは却って勝浩に裏腹な言葉を口にさせる。
 でも好きな人が欲しいと思ってくれているのだ、それだけで胸が痛くなる。
「……もっと変にしていいから……」
 ぶわっと幸也の身体が総毛立つ。


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