「『カフカ』から連絡が入りました」
エミリからの通達で、最初から最後までブーたれていたデレクと共にルカが対策本部に戻ると、ケイン一人がソファに座っていた。
「俺は君の、つまりDr.Cの助手って事だから、眼鏡でもかけるか。ルカ、君は少し髪型も変えよう。万が一にでも君がCIRUと知られないようにしなくてはね。それでなくても君たち『マシンガン・コンビ』は名が知れている。その髪型もチャーミングでよいけどね、柔らかい栗色が素敵だ」
ケインにいきなりそんなことを言われてルカは苦笑いを浮かべた。
一方デレクはムッとしてケインを睨みつけた。
なんだあ!? こいつ!!
デレクは、ケインのルカを見つめる視線に胸騒ぎがした。
午後五時を回る頃、『カフカ』からまるでCIRUをバカにしたかのように、イライラしながら待っていたラコストの携帯に直に電話が入った。
「ラコストだ。君は?」
低い男の声はその質問を無視して、
「Dr.Cは?」
「本来ならお前らテロリストなんぞとの取引に応じるなど断じてないが、犠牲者が多数出ていることを憂慮して、Dr.Cが自ら応じると申し出てくれたんだ」
「マレシャル・フォッシュ通りのド・コリニー伯爵邸。そこに今夜八時、Dr.Cをお連れしろ。今夜はド・コリニー伯爵主催のチャリティパーティがある。VIPから著名人が多数参加する。Dr.CにはMr.スミスと名乗ってもらえば中に案内してくれることになっている。拒否するとなれば、今度はどうなるか考えた方がいい」
back next top Novels
にほんブログ村
いつもありがとうございます