そばにいたい9

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 甲本が中古のジープを買った話から俄然、話題は車の話になり、啓太が学科で三回落ちた話題にみんながからかって笑う。
「一年経っても受からねーかと思ったぜ」
「ちゃんと免許取れたんだから、いいだろ!」
 啓太がむくれると、みんながまた笑う。
「あーやっぱりー! どっかで聞いた声だと思ったー!」
 男たちの笑い声に、唐突に高い声が混じった。
「うお、内田じゃねーの、と、そっちの美人はオトモダチ?」
 早速甲本が反応した。
「やだ、甲本、オヤジ度がまた高くなったんじゃないの? 目がエロいわよ!」
 長袖だが胸元が深めにあいて身体にフィットしたカットソー、それに長くなった髪とメイクが、こちらははっきりと美人度をあげていた。
 確か薬科大に進んだはずだが、高校の時、力とつき合っていたことがある。
 美人が二人もいたらすぐ一緒に騒ごうよ、というのが普通なのかもしれないが、せっかく仲間で楽しんでいるのに、と佑人はつい思ってしまう。
「うっせーよ、二人?」
「まだ来ないのよ、あと二人」
「んじゃ、そいつらくるまで混ざれよ、おい、詰めて詰めて」
 結局、甲本の横に内田が座り、坂本の横に座った、ふわりとした雰囲気の可愛い系美人は、「白石でーす」とみんなに笑顔を振りまいた。


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