空は遠く102

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「いや…別に……冬休みだから」
 そんなに顔に出るほど、気持ちが高揚していたのだろうか。
 力が自分を助けてくれたことも、バイクで家に送ってくれたことも、例え成り行きとはいえ、佑人にとってはひどく幸せな一瞬一瞬だった。
 実際は力は激昂するほど佑人を嫌っているし、言葉を交わせばいがみ合いになるばかりで、正直救いようがない最悪な関係なのだが。
 それでも、力と少しなりとも関わることができた、それだけでいい。この先、どれだけ力と一緒の空間にいられたとしても、それ以上の存在になれるわけではないのだ。
 どのみち三月までだ。三年になればクラスも替わるだろうし、接点もなくなる。
 ただ、ここにきてどうしても気にならないではいられないのは、自分のせいで怪我を負ったという東山のことだ。
 それだけではない、啓太を始めとして力や練までも巻き込んでしまった原因を自分が作ってしまったことだ。
 大切な家族に迷惑をかけるようなことは絶対しない、今でもそう思っている。特に母の美月を悲しませるようなことは、金輪際しないと誓った。
 けれど、このまま何もしないではいられないのだ。
 一昨日からずっと、それは考えてきた。
 どうすればいい?

 


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