空は遠く122

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 門の入り口が見えてきたと思いきや、車のエンジン音が聞こえた。
 逃がすものかと、力は壊れかけたブロックに目をやり、両手にブロックを掴むと猛烈な勢いでダッシュし、今にも道路へ走りだそうとした車のフロントガラス目掛けてそのひとつを投げつける。
 車は急ブレーキをかけて停まった。
 ちょうど街路灯が車を照らしだし、フロントガラスにひびが入り、ブロックは砕け散っている。
「何しやがる!」
 運転席から降りてきた派手なスーツの一見してヤクザな男を力は凄まじいパンチで殴り倒した。
 後部座席と助手席のドアが開いて、また男が二人降り立ち、力に向かって突進してくる。
 恐持てのいかつい男のパンチを避けて逆にその腹を膝蹴りし、背中を肘で思い切り殴り倒す。
 もう一人が梶田だと認めると殴りかかってきたその脚を蹴り、泳いだ腕を掴んで手首を捻り上げた。
「ぎゃあああああああああっ!」
 よほど痛いのだろう、いつものように口汚く罵ることもできずにただ悲鳴を上げる。
「成瀬はどこだ?」
 答えない梶田の手首をさらに捻る。
「折った方がいいか?」
「…やめ……ぎゃあああっ…! トランクだ、トランク………!」
 その時、バン! と力の足元で何か花火のようなものが炸裂する音がした。
「次は貴様の頭に穴があくぞ」
 高そうなスーツに身を包んだインテリヤクザ風な男が、車の向こうから拳銃を向けている。
 咄嗟に力は梶田を自分の前に引き寄せて盾にした。
 男は銃を力の方へ向けた。どうやら男にとっては梶田の腹に風穴があこうがどうでもいいらしい。
「か、カツマさん! ちょ、やめ……」
 息詰まる空気が乱れたのは次の瞬間だった。
「…うぐぅ……!」

 


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