空は遠く124

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 郁磨は何事もなかったかのように、力に向き直った。
「車まで運びます。眠ってるだけだと思う……多分……」
 そう言った力の表情がひどく苦しそうなのを郁磨は見て取った。
「ありがとう、感謝します」
 郁磨の車の後部座席に佑人を横たえた力は、しばしじっと佑人を見つめた。
「おい、さっさと行け! すぐにサツがくるぞ、今連絡した」
 闇の中から長身の男がぬっと現れた。
 いつの間にか郁磨の車の後ろにSUVが停まっている。
 男の後ろには数人の男たちがいた。
「練、悪ぃ、あと、頼むぜ、行くぞ!」
「すまね、練さん!」
 力のあとを追って坂本も走り出す。
 それを見送るように、郁磨は車の傍で立っていたが、「早く、行って下さい」と練に促され、ちょっと頭をさげると車に乗り込んでエンジンをかけた。

 


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