空は遠く128

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「キショイことぬかすんじゃねぇ!!」
 どこか面白がるような坂本の発言に、力が思い切り怒鳴りつける。
「うっせーんだよ、力! 大声出すなってっだろ」
 睨みを利かせてたしなめると、練は続けた。
「そういや、成瀬くんの兄貴、昨日、謝罪とお礼だっつって、寄ってくれたぞ」
 力と坂本が同時に練を振り返る。
「いかにも良家のおぼっちゃまっつう顔して、あのインテリヤクザを一撃でのした鉄拳、思わず惚れ惚れしたな」
「てめぇ、見てねぇで、何でとっとと出てこねぇんだよ」
「フン、だから俺らが出る幕もなかっただろ? 高校生や良家のおぼっちゃまが関係してちゃまずいから、俺らが後始末してやったんだ、感謝しろ。大体、やつら、あばらやら腕やら脚やら骨折だかなんだかで全治何ヵ月って、やり過ぎじゃねぇかって、俺が文句言われたんだぞ、片岡警部に」
「相手は銃ぶっぱなしてんだぞ? 冗談じゃねぇ」
 不貞腐れた顔で力は言い放つ。
「フン、まあ、クスリだけじゃなく拳銃のおまけつきで押さえられたからよかったようなものの、でなきゃ、たかだか障害沙汰で済まされて、やつらどっか潜り込んじまって肝心の捜査がデッドエンドだったんだ。梶田とかってガキがあらかた吐いたんで、餌食になった連中片っ端から聴取してるらしいが、どうやら勝間とかってあのインテリヤクザ、銃の出所やバックにいるやつのことどうしたって吐かないみてぇだし」
「知ったことかよ! んなこたケーサツのオシゴトだろうが」
 不遜な態度で断言すると、力は、「練、何か食いもん!」と喚いた。
「あ、練さん、俺も」
 坂本もちゃっかり追従する。
「いいかお前ら、この時間、店が休みってことは、俺らも休憩時間ってことなんだぞ」
「どうせ賄い作るんだろ? いいじゃん、俺らの分は力のおごりで」

 


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