「ああ、横暴な力の言うことなんか気にしなくていい。今夜、カウントダウンパーティなんだよ。朝まで開けて皆で騒ぐんだ。東とか啓太もくるっていってるし、成瀬くんも一緒にどうかな?」
練は動揺している佑人を見て、カウンターから出てきて言った。
「いえ、今夜これから家族で箱根に行くことになっているので」
「そっか、それは残念。まあ、俺らはなんも気にしてないし、百合江さんも成瀬くんに会いたがってるし、また、いつでもおいで。ああ、今度は新年のパーティ、冬休みが終わる前にやるからさ」
さしずめ、誰に対しても絶対ここまで優しくしたことはないというほど、練は優しい言葉をつくして言った。
「ありがとうございます。オーナーにはよろしくおっしゃって下さい」
「そうだ、せっかくだから、食事、していきなよ、どうせ力のおごりだし」
「あ、いえ、ほんとにもう帰らなくてはならないので」
佑人は練にそう言うと、今度は力の方に向き直る。
「ほんとに………すまなかった……君らにも迷惑をかけた……」
一言一言口にするが、悔しさと自分に対する憤りで佑人は声を詰まらせる。
「もう二度と、君らに迷惑をかけるようなことはしない」
ところがガタン、と立ち上がると力はまた怒鳴りつけた。
「……じゃねぇだろ?! それがうぜぇってんだよ! てめぇは」
一瞬、佑人は力を睨みつけるように見た。
「二度とお前の目障りになるようなことはしない」
今度ははっきりと言い切ると、佑人は練にちょっと頭を下げ、足早に店を出た。
あそこまで疎まれていようとは。
嗚咽の塊がもうそこまできているようだった。
だが、ここではまだダメだ。
中学の時だって、こんな弱い自分ではなかったはずなのに。
足元からガクガクと崩れてしまいそうで。
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