この事件は知り合いからの情報の方が信憑性がありそうだった。
あの成瀬を知ってれば、こんな記事嘘っぱちだってことくらいわかるってもんだ。
記事の嘘くささにイラついている坂本の携帯がコールした。
「おう、わりぃな。へ、隣んちの子が聖城? それで?」
中学の時のクラスメイトからだった。
「それがだ、ちょうどその事件あった頃、その子の隣のクラスが渡辺のクラスで、友達がいたらしくてよく知ってたぜ。渡辺ってさ、アイドルっぽい顔に頭よくて、クラス委員とかやって、女には人気あったみたいだが、あの事件のあと、クラス中にシカトされてさ、何か結構陰険なイジメ受けてたみたいだぜ。裏サイトとかでさ、その子もその友達も可哀想だと思ってたらしいが、かばったりして矛先が自分に向けられるのも嫌だったみたいで」
「フン、それで」
ありがちな話だ。大抵、群れないでいられるやつのが少ないからな。
「でもいい加減、そのうち渡辺もキレたみたいで。何せ彼女かばって、襲ってきたチンピラども、腕折るわ、肋骨折るわ、相当強かったんだろ、今度は、本気でみんな近寄らなくなったみてぇで」
「彼女かばって喧嘩したのか? あいつ。んで、その彼女って、名前は? 今聖城高?」
「和泉真奈。事件の後別れたみたいで、高校から白河女学院行ったって。その前に渡辺は三年の時に転校したみてぇだけど、残念ながらどこだかは知らないってよ」
「そっか。ありがとよ」
携帯を切ってから、坂本は腕組みをしたままタブレットの画面をぼんやり見つめていた。
彼女守って喧嘩して、何が悪いってんだよ!
あいつ、何も悪くねぇじゃん。
聞けば聞くほど坂本の方が腹が立ってきた。
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