そうして卒業すれば、彼らの中では、ああ、そんなやついたっけ、くらいで存在も忘れ去られていくのだ。
佑人は顔を上げた。
力の学ランの広い背中は、そのまま力という人間の大きさを物語っているようだった。
獣医か。
意外だけれど、わかる気がした。
きっと河喜多先生みたいに、口は悪くても面倒見のいい獣医になるだろう。
好きだよ、山本……力……
絶対口にはできないけど、今だけなら、こうして山本の背中に言うことができる。
好きなんだ………
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