佑人ひとりでは入ることはないから、マックに寄るのは随分久しぶりだった。
授業が終わると、結局みんなでマックに寄ることになっていた。
まるで一年前と同じ展開である。
ただし、佑人の気持ち的には以前のようなささくれだったものが取れて少しなりとも穏やかでいられた。
「けどよ、成瀬、いいのか? 俺らなんかに付き合ってて、受験だろ?」
力、啓太、東山、坂本と佑人、五人で入って先に席を取ると、じゃんけんで負けた佑人と東山がみんなの分を買うために列に並んだ。
「東山だって受験だろ?」
同じことを返すと、東山は「いや、俺はまあ……いんだよ」と言葉を濁す。
「理学療法士目指すんだって?」
「あ、啓太だな、べらべらと」
東山はばつが悪そうに頭をかいた。
「お母さん、看護師さんだから影響受けたとか?」
「んなんでもないけどよ、医者とかんなるアタマないけど手に職っつうか、腕使う仕事とかならできるかなとか。ま、大学ダメでも専門学校とかあるし」
「そうか、目標あっていいな、東山も山本も」
「成瀬だって、T大だろ? すげえじゃん、そっか、余裕なんだもんな、成瀬。ってより、力、てっきり文系だと思ってたんだけど、何、あいつ何か目指してんの?」
「え?」
しまった、と佑人は目をそらす。
やはりまだ東山啓太も知らないわけか。
「い、や、詳しくは知らないけど……山本に直接聞いたら?」
訝しげな眼を一瞬向けた東山だが、ちょうどオーダーの順番がきて、その話はそこで終わった。
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