空は遠く226

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「できりゃ、ご一緒したいけど、店、まだまだマサ一人じゃいちんち中は無理だしな。真野さんもたまに手伝ってくれるが……、あの人パティシエとしちゃうちの店なんかにいるにはもったいないような人だけど接客超苦手でさ」
 後ろ髪を引かれると言いながら練が帰ると、二人はまずリビングから掃除を始めた。
「俺がダダゴネしたんで、このうち売らずに残したんだけどさ、親の出した条件が月イチでの掃除と庭の手入れ」
 掃除機をかけながら坂本が言った。
「いい親じゃん」
「まあね、目に入れても痛くない、自慢の一人息子だから」
「自分で言う?」
 佑人はモップを動かしながら笑う。
「いずれは俺また、ここ住みたいし」
「そうなんだ」
 バスルームもきれいに使ってあるし、一階には応接間が一つ、二階には大小三つの部屋があり、その一つが坂本の部屋らしく、NBAの人気選手のポスターが壁にかけてあったり、トロフィーなどが飾ってあったりした。
「へえ、優勝したんだ? 中学の時?」
「まあね、地区大会でさ。マジ、NBAに入るとかって思ってたんだけどな」
「やめちゃったのか?」
 空笑いをする坂本に佑人は聞いた。
「おいおい、俺ごときのレベルなんかどこにでもいるってこと。スカウトに来た高校とかもあったりしてさ。でも、主力高に行った連中なんかみたらてんで、俺なんかの力じゃ足元にも及ばない。しかもNBAなんか見た日には、さ。目が覚めたって感じで」
「もったいないな」
「……まあ、そう、周りはもったいないとか勝手なこと言うんだよ。でも自分のことわかってるのは自分だろ? で、勝手に有名校に入るんだろ、とか決めつけてくれちゃって」

 


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