空は遠く229

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「ここ塀が割と高いし、ラッキー出しても平気そうだな」
「ああ、いいぜ、終わったし」
 リビングでおとなしく待っていたラッキーは佑人が呼ぶと勢いよく駆け出してきた。
 しばらくラッキーの好きなフリスビーで遊んだが、坂本はラッキーとのこの遊びをかなり気に入ったようで、佑人より面白がってラッキーと戯れていた。
「はー、久々遊んだー」
 坂本が刈ったばかりの芝の上に大の字に転がると、ラッキーもその傍でまだ期待に満ちた目で二人を見つめている。
「飯食ったら後で海、行こうぜ、ラッキー連れて。こんな猫の額じゃ、ラッキーには狭いよなー」
「勉強しにきたんじゃないのか?」
「だから、それも、ありってこと。あ、じゃあさ、これからオールイングリッシュ」
「いいよ」
 ニンジンは苦手だということで意見が一致したものの、せっかく美月が用意してくれたものだということで食べようとやら、やっぱり二人で食べるには量が多すぎるとやら、何だかだと言いあいながら存分に食べた二人は、腹ごなしにラッキーを連れて海岸へと向かった。
「いいなあ、こんな近くに海かあ」
 目の前に広がる海の大きさに、佑人は心の声を自然に口にした。
「だろう、こんないいとこ、手放せると思うか? まあ、うちの親は昔ロンドンに住んでたんで、老後はロンドンに移住するつもりらしいけど」
「そうなんだ。じゃあ、将来は親と結構離れて暮らすことになるのか」
「仕方ないさ。親も別に好きにしろくらいで、あまり干渉しないし。成瀬こそ、ボストンとか行くつもりか? 大学くらい国内にしろよ。T大とかさ」
「……うん、そうだな………」

 


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