空は遠く236

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「だーから、もうとっくだって。いい女だったんだけどさ、騎乗位が好きで、パッと見理知的な美人って顔してさ、ベッドに入るとこれが変貌すんだよ」
 ウヒヒと思い出し笑いをする坂本だが、佑人の視線に気づいて、おっと、と口を手で覆う。
「チェリーちゃんには刺激強いよねぇ、ごめん、ごめん成瀬、お勉強中でした」
 からかう坂本に、佑人はあからさまな話題に顔を赤らめている自分が恥ずかしくて、唇を噛む。
「いやん、赤くなっちゃって成瀬ってば可愛い!」
 それでなくても力が彼女とどう過ごしているのかなどと考えてしまい、二年の時、力と女の子が教室でいちゃついているのをうっかり覗き見してしまったことが生々しく思い出される。
「ばっか、成瀬みたい、真面目なやつは、本気で好きになった相手じゃないとそんなこと考えないんだよ。力や坂本みてぇに見境なく女とやっちまうようなやつと一緒にすんな」
 声を荒げた東山の発言に、佑人は少し驚いた。
 以前、東山の家で少し話をしてから、東山に対する見方が変わったのだが、喧嘩っぱやいもののそれこそ真面目で竹を割ったようなきっぱりした性格をしているようだ。
「何だよ、力は別としても俺がまるでまともな恋してねぇみたいな言いぐさじゃん」
「じゃないのかよ」
「俺を見損なうなよ? 俺の純愛と女とヤるのとは別もんなの! 俺なんか、本気で好きになったらもう一直線、大事にするに決まってる。な、成瀬」
 何が、な、なのかはわからないが、佑人は苦笑する。
 確かに力を好きだという思いがあっても、力の女たちのように力とどうこうなんて考えられるものではない。

 


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