空は遠く243

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 どうしたらいいんだろう。
 こんなの………。
 立ち竦む佑人の前でドアが開いた。
「お、成瀬、やっぱいた。開けろって怒鳴ればいいじゃん」
「え、あ、ごめん」
 坂本は佑人の抱えている缶やボトルを取り上げた。
「どした? 成瀬、顔赤いぞ? 湯冷めして風邪引いたんじゃないか? もうベッドに入れよ」
「え、うん、そう……かも」
 坂本の勘違いをいいことに、佑人はベッドに潜り込んだ。
「ポカリ、飲んだ方がいいぞ」
 心配そうな顔で、坂本は毛布を掛けてくれる。
「あ、下に山本戻ってるよ。上に来ないかって言ったら、このまま寝るってソファで」
「ああ、力なんか放っといていいから」
 不意に坂本の手が佑人の額に触れた。
「熱は……なさそうだけど、引き始めかもしれないし、何か調子悪かったら言えよ?」
 冷たい手は何だか火照った顔には気持ちよく、離れていったのが残念な気もしたが、力が触れた時のような凄まじいものとは全く別のものだった。
 眠ろう。
 眠ってしまえば、こんなぐちゃぐちゃした思いなんか忘れるかもしれない。
 くうん、とラッキーまでが心配そうな目を向けた。
 大丈夫、という代わりに撫でてやっているうちに、眠りに落ちた。

 


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