空は遠く247

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 といっても、三年生は受験の重みを感じ始めた頃で、例年、特に理系クラスは今一つ盛り上がりに欠ける。
 だが今年は、一年、二年と部活に参加しているわけでもないのにそういうイベントでは何故か大活躍してきた山本力がいるというわけで、三年Eクラスは月初めに発行された新聞部の優勝候補予想に名を連ねていたし、そのサイトのコラムでも昨年の球技大会のようすがアップされていた。
 いくつかの競技種目においてクラス別対抗となっていて、それぞれの勝ち点の合計で勝敗が決まり、各種目ごとだけでなく、総合優勝のクラスには生徒会から賞品が出ることになっている。
 一年生でも運動部に参加している者もいるし、ハンディは一切ない。
 ついこの間生徒会選挙で新しく生徒会長に就任した二年の山口は明るい積極的なタイプで、生徒会自体もどんなイベントも盛り上げていこうというやたら元気な姿勢を見せている。
 中学の時、体育の時間でさえ一緒にやるのをクラスメイトに拒否られてから、チームプレイが必要な競技は佑人はどうしてもダメだった。
 二年までクラスメイトにはうまい具合に運動音痴だと思われていたお蔭で、体育などでも極力参加しないで逃れてこられたし、球技大会は大概活躍しそうなメンツをそれぞれの競技に選抜するだけで、あとは応援や審判に回ればよかった。
 ところが今年の球技大会は、生徒会長の掲げた今回のスローガンが「全員参加」とあるように、一人一種目は必ず出場することになっていて、そこは受験生である三年生に対しても容赦ないという。
「なーに、頑張っちゃってんだろな、生徒会長、頼むよ。辛い受験生の立場もちょっとは考えてくれよ」
 ホームルームで球技大会の議題を前に、教壇に立った委員長の甲本がのっけから文句を口にした。
「甲本、去年なんかイベント軒並み張り切りまくりだったじゃない」
 ビシッと切って捨てたのは隣に立つ副委員長の内田だ。
 二人は二年の時同じクラスで、始めから割と親しげだったから最初内田と噂されたのは甲本だったのだが。
「あとは、大会運営委員から説明があります」

 


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