「こんの…やろう!」
佑人に飛びかかってきたもう一人の男に向かって、腕を掴んでいた男を力任せに突き倒す。
大きな男たちが雨が降り続く道に無様に水溜りに倒れ込む。
内田は後ろを振り返り振り返り、雨の中ずぶ濡れになりながら、ようやくバッグの中から携帯を取り出した。
「あ、あたし、お願い! 助けて! 成瀬くんが!!」
放課後、教室に集まった三年E組のサッカーチームは球技大会に向けて練習をする算段をしていた。
「おう、力、まだいたか、ちょっと、話が……」
ちょうどそこへ顔を覗かせたのは坂本だった。
だが、坂本に返事もせず、力はものすごい形相で教室から出て行った。
「え、何だ? おい! 力!」
咄嗟に何かのっぴきならないことがあったと察してすぐ後を追った。
玄関へ駆け降りるともどかしげにスニーカーに足を突っ込み、傘もささずに力は既に雨の中へ走り出していた。
とりあえず傘を掴むと、坂本も雨の中に飛び出した。
「一体何だってんだ?!」
しばらく走っていくと、ずぶ濡れの女子生徒が道端に蹲っているのが見えた。
「内田?!」
慌てて駆け寄ると、坂本は傘を差し掛けた。
「何があった?」
「多分、江西学院の男たちに絡まれて、成瀬くんが……」
「成瀬?! どこだ!?」
「えっと、二つ目の角、右に」
内田を抱き起した坂本はそれを聞くと、持っていた傘を内田に押しつけて駆け出した。
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