佑人は窓際のデスクに寄りかかると椅子にすとんと腰をおろした。
鍵を持ってきてしまったのは、信じたかったからだ。
って、バカじゃないのか、俺は。
今までだってどれだけ、あいつが俺のこと詰ってきたか、わかってるはずなのに。
ましてや俺にあんなことマジに言うはずがないのに。
そんなに俺のことこきおろしたい?
まあ、あいつも言ってたよな、昔っからドンくさいって。
だから中学の時もまわりからシカトされたり。
ウザいとか、死ねばいいとか、そんなこと言われるのは、言われる方が悪いってことか。
ここであいつの思い通り、俺が真に受けて告ったりした日には、いい笑い者にされるってわけだ。
窓は小さな中庭に面していた。
ここに窓がなければ、薄暗く埃っぽいだけの書庫だろう。
佑人は突き出し窓を少し開けて、新鮮な空気を取り込んだ。
オリーブグリーンが明るいミズキの向こうにある空は輝いているように見えた。
「遠いな………」
ふと呟いた時、静かに涙が零れ落ちた。
「あれ……」
気づいて手で拭うのだが、涙は溢れて止まらない。
この間からおかしい。
感情がコントロールできない。
こんなことくらいで………
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