空は遠く296

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坂本は腕組みをして、しばらくチームが半々に分かれてグラウンドを駆け回るのを見ていた。
「相変わらず、力のやつ、いいフットワークしてるじゃん」
常にトレーニングをしているわけではないはずなのに、身体能力の高さを見せつけている。
朝晩のタローの散歩というのが軽いジョギングらしく、それもトレーニングになっているのだろう。
散歩は軽く走るという癖がついているため、力以外の人間がタローの散歩をさせようとするとついていけなくなるらしい。
力がゴールにボールを押し込んだところで、ようやく休憩に入ると、坂本は力に声をかけた。
「何だよ」
「話がある」
「だから、何だってんだよ」
力のようすからイラついているのがわかった。
「リリィで今夜八時に待ってるから、来いよ」
いつもの軽いノリではない口調に、力は坂本を睨みつけたが、返事もせずに戻っていく。
「ぜってぇ、来いよ!」
坂本は声を張り上げた。


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