空は遠く97

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「善良な高校生を狙ってくるなんざ、腹立たないわけないだろ、練。早いトコやつら叩きのめして、組織だか何だかみてぇに粋がってやがんのを、ギッチョンギッチョンにして、ぶっ潰してやらねぇと気がすまねぇ」
 練はそれぞれのカップにコーヒーを注ぎながら、坂本の言葉に苦笑する。
「まあ、落ち着け。ケーキでもどうよ?」
「あんたの仲間だって、昨日も今日も成瀬や啓太に張り付いてんだろ? この寒空にたまったもんじゃねぇじゃん」
「日当は力が払ってんだから、いんじゃね? やつらもいいバイトだと思ってやってんだろ。最近動いてねぇから身体なまってるみてぇだし」
「フーン、元ゾクの皆さん、何人くらいいんの?」
「さあて、俺の知ってるヤツは二十人くらいだが、勝手に俺を知ってるヤツは把握できねぇな。解散してから固まって走るってのはないし、みんなそれぞれ仕事持ってるからな。だがやつら、いざって時、何か地震とか災害起きたりすると連絡取り合ってボランティアに駆けつけたりするらしいぜ。ネットワークがあるんだ」
「へえ、すごいじゃん。力は知ってんのか?」
「二、三人はな」
 フーン、と坂本は感心したように頷く。
「そういや、東、退院した? まただれか、張り付くのか?」
「しゃあねぇだろ。やつら、成瀬をやりそこねてカッカきてるだろうし。お前みてぇに」
 足元のタローを撫でながら、力が言った。
 坂本は舌打ちする。
「あー、そういやさ、前に、啓太と一緒に成瀬に鞄届けたのって、お前? 何で俺の名前、騙ったわけ? 成瀬にそん時の礼、言われて、適当にごまかしといたけど、思い当たるのはお前しかいねぇだろ」

 


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